目覚めたら、社長と結婚してました
真剣です、お互いに本音をぶつけてみましょう
外からの人工的な明かりが部屋に差し込み、エアコンの稼働音だけが部屋に響く。ソファで膝を抱えていると、ぱっとリビングの電気がついた。
突然の明るさに眉をひそめ、目を瞬かせる。
「電気もつけないでどうした? てっきり寝ているのかと」
私はゆっくりと立ち上がり、こちらに近づいてくる怜二さんの方に向き直った。
「おかえりなさい、怜二さん」
彼の顔をしっかりと見て告げてから、私は顔をくしゃりと歪めた。
「ごめんなさい。待ってろって言われていたのに」
怜二さんは一瞬、意味がわからないという顔をしたが、私が手にしているものに目を向け、状況を悟ったようだった。
私が自分の欄だけ書いた離婚届を私は握りしめていたから。
「思い、出したのか?」
確かめるように彼が尋ねてくる。
「……はい。変ですね、もっと嬉しそうな顔をしてくださいよ」
複雑そうな顔をする怜二さんに、私は彼から視線を外して下を向いた。指摘しておきながら、きっと今の私の表情も彼と同じようなものだ。
「別れたいわけじゃなかったんです。これを書いたのは……覚悟、のつもりでした」
震える声で私は口火を切った。今、怜二さんがどんな顔をしているのかは見えない。
本当は彼の目を見て伝えるべきことなのに。覚悟と言っておきながら、それは怖くてできなかった。
「もしもこの先、怜二さんが私と一緒にいるのが嫌になったら、もしも怜二さんが本当に結婚したいって思える相手が現れたら……そのときは別れるつもりでいるって。ちゃんと割り切っているって」
突然の明るさに眉をひそめ、目を瞬かせる。
「電気もつけないでどうした? てっきり寝ているのかと」
私はゆっくりと立ち上がり、こちらに近づいてくる怜二さんの方に向き直った。
「おかえりなさい、怜二さん」
彼の顔をしっかりと見て告げてから、私は顔をくしゃりと歪めた。
「ごめんなさい。待ってろって言われていたのに」
怜二さんは一瞬、意味がわからないという顔をしたが、私が手にしているものに目を向け、状況を悟ったようだった。
私が自分の欄だけ書いた離婚届を私は握りしめていたから。
「思い、出したのか?」
確かめるように彼が尋ねてくる。
「……はい。変ですね、もっと嬉しそうな顔をしてくださいよ」
複雑そうな顔をする怜二さんに、私は彼から視線を外して下を向いた。指摘しておきながら、きっと今の私の表情も彼と同じようなものだ。
「別れたいわけじゃなかったんです。これを書いたのは……覚悟、のつもりでした」
震える声で私は口火を切った。今、怜二さんがどんな顔をしているのかは見えない。
本当は彼の目を見て伝えるべきことなのに。覚悟と言っておきながら、それは怖くてできなかった。
「もしもこの先、怜二さんが私と一緒にいるのが嫌になったら、もしも怜二さんが本当に結婚したいって思える相手が現れたら……そのときは別れるつもりでいるって。ちゃんと割り切っているって」