目覚めたら、社長と結婚してました
「どうした?」
彼の声色には心配さが滲んでいる。それを吹き飛ばす意味も込めて私は口を開いた。
「私、怜二さんと結婚できて幸せです」
彼の胸に顔をうずめ宣言するように告げると、怜二さんは応えるように私を抱きしめてくれた。回された腕の重みが心地よくて、伝わる体温に安心する。
「もうこの際だから聞きますけど、怜二さんは私のどこを気に入ってくださったんでしょう?」
はぐらかされるかな、と返事は期待しなかった。ところが、彼は意外にも律儀に返してくれた。
「そうだな……端的に言えば話が合うところじゃないか?」
「それって、私よりも美人でもっと本を読む人がいたらそっちにいっちゃうってことです?」
「お前な……」
我ながらつい可愛くない切り返しをしてしまったことを後悔する。案の定、怜二さんはどこか呆れ気味だ。
言い訳しようとしたところで彼にきつく抱きしめ直される。
「いくかよ。本の知識とか、そういうことじゃない。たしかに最初は本の好みが合うな、くらいにしか思っていなかった。でも、いつのまにか柚花と一緒にいるのが心地いいと思えるようになったんだ。会話も空気も自然と馴染んで、そんな女は初めてだった」
「それは……ありがとうございます」
自分から聞いておいて、怜二さんの回答に照れてしまう。ぎこちなく返すと彼は「なにより」と続けた。
「俺の隣で嬉しそうに笑うのと同じように他の男の隣でも、と想像すると自分の独占欲に驚いた」
彼の声色には心配さが滲んでいる。それを吹き飛ばす意味も込めて私は口を開いた。
「私、怜二さんと結婚できて幸せです」
彼の胸に顔をうずめ宣言するように告げると、怜二さんは応えるように私を抱きしめてくれた。回された腕の重みが心地よくて、伝わる体温に安心する。
「もうこの際だから聞きますけど、怜二さんは私のどこを気に入ってくださったんでしょう?」
はぐらかされるかな、と返事は期待しなかった。ところが、彼は意外にも律儀に返してくれた。
「そうだな……端的に言えば話が合うところじゃないか?」
「それって、私よりも美人でもっと本を読む人がいたらそっちにいっちゃうってことです?」
「お前な……」
我ながらつい可愛くない切り返しをしてしまったことを後悔する。案の定、怜二さんはどこか呆れ気味だ。
言い訳しようとしたところで彼にきつく抱きしめ直される。
「いくかよ。本の知識とか、そういうことじゃない。たしかに最初は本の好みが合うな、くらいにしか思っていなかった。でも、いつのまにか柚花と一緒にいるのが心地いいと思えるようになったんだ。会話も空気も自然と馴染んで、そんな女は初めてだった」
「それは……ありがとうございます」
自分から聞いておいて、怜二さんの回答に照れてしまう。ぎこちなく返すと彼は「なにより」と続けた。
「俺の隣で嬉しそうに笑うのと同じように他の男の隣でも、と想像すると自分の独占欲に驚いた」