目覚めたら、社長と結婚してました
「こんなこと言ったら怒るかもしれませんが、ちょっと驚きました。怜二さんって結婚しても指輪とかするタイプではないと思っていたので」
「いい女除けだろ」
ふっと笑った彼の言い草はどこまで本気なのか。すると急に怜二さんが真面目な顔になった。
「べつに俺はどっちでもいいんだ。お前がつけていてくれたら」
私は小首を傾げる。怜二さんの理論でいうと、私こそ指輪はどっちでもいい気がする。そう言おうとしたところで彼が先に動いた。
「ほら」
「なんです?」
「こっちも食べてみろよ」
予想外の申し出に私の思考はシャットダウンした。むしろサーバーが落ちたというか。
すぐに復活させ、言われたことを理解しようと脳をフル回転させる。それほど難しいことを言われたわけじゃないのに頭は混乱していた。
「なにか嫌いか?」
「い、いえ。違います。あの、じゃぁ、頂きます」
自分のサンドイッチを皿に戻して彼のを受け取る。私も同じことをしたんだから、なにも意識することはない。怜二さんだってそうだ。
夫婦だって言われたばかりだし。動揺を鎮めるために私はぎこちなくも彼のサンドイッチに口をつける。
現金なものであれこれ思い巡らせていたわりに、食べてみると舌は正直だった。
わぁ、絶妙。モッツァレラチーズなので癖もなく、生ハムの味を邪魔せずにいい塩梅だ。バジルが生なのもいいアクセントになっていて食べやすい。
「いい女除けだろ」
ふっと笑った彼の言い草はどこまで本気なのか。すると急に怜二さんが真面目な顔になった。
「べつに俺はどっちでもいいんだ。お前がつけていてくれたら」
私は小首を傾げる。怜二さんの理論でいうと、私こそ指輪はどっちでもいい気がする。そう言おうとしたところで彼が先に動いた。
「ほら」
「なんです?」
「こっちも食べてみろよ」
予想外の申し出に私の思考はシャットダウンした。むしろサーバーが落ちたというか。
すぐに復活させ、言われたことを理解しようと脳をフル回転させる。それほど難しいことを言われたわけじゃないのに頭は混乱していた。
「なにか嫌いか?」
「い、いえ。違います。あの、じゃぁ、頂きます」
自分のサンドイッチを皿に戻して彼のを受け取る。私も同じことをしたんだから、なにも意識することはない。怜二さんだってそうだ。
夫婦だって言われたばかりだし。動揺を鎮めるために私はぎこちなくも彼のサンドイッチに口をつける。
現金なものであれこれ思い巡らせていたわりに、食べてみると舌は正直だった。
わぁ、絶妙。モッツァレラチーズなので癖もなく、生ハムの味を邪魔せずにいい塩梅だ。バジルが生なのもいいアクセントになっていて食べやすい。