目覚めたら、社長と結婚してました
「医者にも言われているんだ。思い出させようと無理強いしたり、必要以上にショックを与えないようにしろって」
「怜二さんと結婚しているっていう事実以上に衝撃的なことはありませんよ」
まっとうなことを言われて苦しくなり、私はつい可愛くない切り返しをした。案の定、彼の眉間に皺が刻まれる。
「そうか。なら、これ以上ショックを与えないためにも余計なことは言わない方がいいだろ」
「あ、すみません、失言でした。だから少しだけでいいので教えてください」
低い声で言われたが、彼は私の髪に触れたままだった。おかげでつい軽口を叩きあう形になる。そこで彼の手が私から離れた。
「記憶を失ったお前からしたら、もどかしいだろうし落ち着かないのもわかってる。ましてや知らない男と結婚しているなんて。でも無理はさせたくないんだ。柚花を失うような思いは、もう二度としたくない」
そう告げた彼の顔がなんだか苦しそうに見えた。すごく心配をかけたのが伝わってくる。
次の瞬間、私は完全な無意識だった。そっと腰を浮かして彼との距離を縮める。
そしてほんの刹那、唇同士が触れ合った。
顔を離すと、これでもかというくらい目を見開いて固まっている怜二さんが瞳に映る。我に返った私は、自分のしたことを理解し血の気がさーっと引いた。
「っ、キャーーー!!」
両手で口を押えた状態で叫んだので、声はそこまで大きくなかった。完全なパニックを起こし、卒倒しそうになる。
「怜二さんと結婚しているっていう事実以上に衝撃的なことはありませんよ」
まっとうなことを言われて苦しくなり、私はつい可愛くない切り返しをした。案の定、彼の眉間に皺が刻まれる。
「そうか。なら、これ以上ショックを与えないためにも余計なことは言わない方がいいだろ」
「あ、すみません、失言でした。だから少しだけでいいので教えてください」
低い声で言われたが、彼は私の髪に触れたままだった。おかげでつい軽口を叩きあう形になる。そこで彼の手が私から離れた。
「記憶を失ったお前からしたら、もどかしいだろうし落ち着かないのもわかってる。ましてや知らない男と結婚しているなんて。でも無理はさせたくないんだ。柚花を失うような思いは、もう二度としたくない」
そう告げた彼の顔がなんだか苦しそうに見えた。すごく心配をかけたのが伝わってくる。
次の瞬間、私は完全な無意識だった。そっと腰を浮かして彼との距離を縮める。
そしてほんの刹那、唇同士が触れ合った。
顔を離すと、これでもかというくらい目を見開いて固まっている怜二さんが瞳に映る。我に返った私は、自分のしたことを理解し血の気がさーっと引いた。
「っ、キャーーー!!」
両手で口を押えた状態で叫んだので、声はそこまで大きくなかった。完全なパニックを起こし、卒倒しそうになる。