すれ違い、この想い
出会いは再会

小学五年生、春

お道具箱や防災頭巾、リコーダーや置き傘などを無造作に大きな手提げにぶち込んだ。

筆箱の中にはひとつひとつ「相葉蘭」と丁寧に書かれた未使用の鉛筆や角がまだ8つある消しゴムが入っている。

ランドセルは少し凹んでいて、四年間のあいだに大きくなった私の体のサイズにも合わなくなってきている。

今日から私は小学五年生になる。『小学校高学年』として、大事な節目の1日になる。

軽すぎるランドセルを背負い、重すぎる手提げを持ち、学校へと歩き出す。
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