Some Day ~夢に向かって~
「由夏。」
話とお弁当に夢中になっていたから、誰かが近づいて来てたのに全然気が付かなかった私達。振り向くと、そこにいたのは・・・。
「加奈。」
「お話し中、悪いんだけど、ちょっと外してくれないかな。水木さんと2人で話がしたいんだ。」
水木さんって・・・由夏は「由夏」なのに、私は「水木さん」なんだね。つまりもう私は加奈ちゃんにとっては、友達じゃないってことなんだね・・・。
「私が一緒じゃダメなの?」
明らかに不穏な雰囲気の加奈ちゃんと私を2人にすることに不安を覚えた由夏は、そう言ってくれたけど、加奈ちゃんは首を横に振る。
「ゴメンね。大丈夫、まさか取っ組み合いなんかしないから。由夏と塚原くんほどヒ-トアップもしないから。」
あっ、それ禁句とヒヤッとしたけど、由夏はそこには特に反応せずに、私の方を見た。そして私がうなずいたのを見ると
「わかった。じゃ、また後で。」
後ろ髪を引かれるという雰囲気で由夏は出て行く。それを見届けた私達は、改めて向かい合った。
「とうとう先輩と付き合うことになったんだね。」
「うん・・・。」
「前にここであなたを励ますようなこと言っちゃったから。敵に塩、送っちゃったな。」
(敵・・・。)
加奈ちゃんの一言一言が胸に突き刺さる。
「おめでとうって言うべきなんだろうけど、私、結構諦めが悪いタイプなんだ。」
「・・・。」
「あなた、先輩の家に行ったか、見たことある?」
突然の加奈ちゃんの問いに私は、意味がわからないまま、首を横に振った。
「そう、じゃ1度行ってみるといいよ。今のあなたなら、遊びに行かせて下さいって先輩におねだりすれば、2つ返事でしょ。」
その加奈ちゃんの言葉にも棘を感じて、私は悲しくなる。
「あなたは知らないのよ。白鳥徹という人の普通の高校生としての姿と野球選手としての姿しか。」
「どういうこと・・・?」
「あなたはあの人の、一番大事な部分を知らない、というか理解してない。」
「・・・。」
「それをよく見て来るといいよ。そうすればわかる、少なくともあなたより私の方が、あの人に相応しいってことが。」
そう言い終わると、もう用はないと言わんばかりに、加奈ちゃんは行ってしまった。
話とお弁当に夢中になっていたから、誰かが近づいて来てたのに全然気が付かなかった私達。振り向くと、そこにいたのは・・・。
「加奈。」
「お話し中、悪いんだけど、ちょっと外してくれないかな。水木さんと2人で話がしたいんだ。」
水木さんって・・・由夏は「由夏」なのに、私は「水木さん」なんだね。つまりもう私は加奈ちゃんにとっては、友達じゃないってことなんだね・・・。
「私が一緒じゃダメなの?」
明らかに不穏な雰囲気の加奈ちゃんと私を2人にすることに不安を覚えた由夏は、そう言ってくれたけど、加奈ちゃんは首を横に振る。
「ゴメンね。大丈夫、まさか取っ組み合いなんかしないから。由夏と塚原くんほどヒ-トアップもしないから。」
あっ、それ禁句とヒヤッとしたけど、由夏はそこには特に反応せずに、私の方を見た。そして私がうなずいたのを見ると
「わかった。じゃ、また後で。」
後ろ髪を引かれるという雰囲気で由夏は出て行く。それを見届けた私達は、改めて向かい合った。
「とうとう先輩と付き合うことになったんだね。」
「うん・・・。」
「前にここであなたを励ますようなこと言っちゃったから。敵に塩、送っちゃったな。」
(敵・・・。)
加奈ちゃんの一言一言が胸に突き刺さる。
「おめでとうって言うべきなんだろうけど、私、結構諦めが悪いタイプなんだ。」
「・・・。」
「あなた、先輩の家に行ったか、見たことある?」
突然の加奈ちゃんの問いに私は、意味がわからないまま、首を横に振った。
「そう、じゃ1度行ってみるといいよ。今のあなたなら、遊びに行かせて下さいって先輩におねだりすれば、2つ返事でしょ。」
その加奈ちゃんの言葉にも棘を感じて、私は悲しくなる。
「あなたは知らないのよ。白鳥徹という人の普通の高校生としての姿と野球選手としての姿しか。」
「どういうこと・・・?」
「あなたはあの人の、一番大事な部分を知らない、というか理解してない。」
「・・・。」
「それをよく見て来るといいよ。そうすればわかる、少なくともあなたより私の方が、あの人に相応しいってことが。」
そう言い終わると、もう用はないと言わんばかりに、加奈ちゃんは行ってしまった。