Some Day ~夢に向かって~
私達は唯ちゃんを交えて、しばらく3人でおしゃべりしながら過ごした。


先輩と2人きりになりたい気持ちはあったし、先輩も唯ちゃんを追い出そうとしてくれたけど


「ダメ。お兄ちゃんの部屋でいきなり2人きりはまだ早い。」


なんて屈託なく言われてしまうと、なんか笑ってしまった。


あっという間に、予備校に行かなければいけない時間になって、私達は先輩の家を後にする。


「悠ちゃん、また来てね。今度はみどりさんが来てる時に、一緒に勉強しようよ。」


唯ちゃんは大はしゃぎで見送ってくれたけど、お母さんは一応見送りには出て来てくれたけど、私が挨拶しても、表情は硬いままだった・・・。


予備校に行く間、そして帰り道、今日は先輩とずっと一緒に居た。そんな時間を過ごせたことが、嬉しい・・・はずだった。


ううん、嬉しかったのは確か。でも私の心にはすきま風が吹いていた。


いつものように、私を送ってくれた先輩を見送ると、私はただいまの挨拶もそこそこに部屋に駆け込むと、パソコンを開いた。


そして、その検索が終わった時、私は深いため息をついた。


(加奈ちゃんが言いたかったことは、こういうことだったんだ・・・。)


こんな風に落ち込んでいる私は、結局加奈ちゃんの思惑に、まんまとはまってしまったということなんだろうな・・・。
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