Some Day ~夢に向かって~
ウインターキッス
「ねぇ、なんかあったの?」
次の日の昼休み、由夏にそう聞かれて驚いた。
「別に、何にもないよ。」
「ウソ。昨日は先輩の家に行くって、あんなに張り切ってたのに。」
「ホントになんにもないって。」
一所懸命否定する私、というか普通にしてたつもりなんだけどな。
「悠、私の目をごまかせると思って?」
う、由夏の目が見られない・・・。
「先輩の家でなんかあったでしょ。急に襲われたとか。」
「先輩はそんなことする人じゃないよ。」
「わかってる、冗談よ。でも、ちゃんと普通に話してるように見せてるけど、私はごまかされないよ。」
そうか・・・伊達に3年間、親友やってないってことだね。由夏の目はやっぱりごまかせない。
「うん・・・でもケンカしたとかじゃないよ。先輩とはいたって仲良し、でもね・・・。」
先輩のお父さんが会社の社長さんなのは知っていた、学校でも有名な話だし。だから広い家に住んでても全然不思議じゃない。
でも私は知らなかった、というか深く考えてなかった。それがどういうことなのかを。
昨日、家に帰った後、私は先輩のお父さんの会社をネット検索してみた。すると不動産管理やリゾ-トを手掛けている、かなり大きな会社であることがわかった。
ということは、先輩は、そこの御曹司。つまり先輩は将来、その会社をお父さんから受け継ぎ、社長さんになるということ。野球選手でも新聞記者でもない未来が先輩を待っているんだ。
「悠も珍しい人だね。彼氏がそんな人だったら普通喜ぶべきことなんじゃない?まさしく、玉の輿でしょ。」
由夏は呑気なことを言ってくれるけど、先輩の奥さんになる人には当然、それに見合う教養や家柄とかが、きっと求められることになるのは、容易に想像がつく。
加奈ちゃんと私の頭の出来は、とても比べものにならないし、先輩のお母さんが私に冷たかったのは、あんたなんかじゃ、とても息子の相手になんてならないよ、と思われたからに違いない。
「今からもうそんな先のこと考えて、落ち込んでたんだ?」
「だって・・・。」
「じゃ、先輩はなんで悠を彼女にしたの?からかってるの?それとも遊び相手として?」
「先輩はそんな・・・。」
「人じゃないってことは、悠が一番よく分かってるんじゃない?」
「由夏・・・。」
「先輩のそういう生い立ちというか立場に、ほとんど無頓着で、先輩をずっと想ってた悠って、私は素敵だと思うけどな。」
そう言うと由夏は、私を励ましてくれるかのように、大きくうなずいて見せた。
次の日の昼休み、由夏にそう聞かれて驚いた。
「別に、何にもないよ。」
「ウソ。昨日は先輩の家に行くって、あんなに張り切ってたのに。」
「ホントになんにもないって。」
一所懸命否定する私、というか普通にしてたつもりなんだけどな。
「悠、私の目をごまかせると思って?」
う、由夏の目が見られない・・・。
「先輩の家でなんかあったでしょ。急に襲われたとか。」
「先輩はそんなことする人じゃないよ。」
「わかってる、冗談よ。でも、ちゃんと普通に話してるように見せてるけど、私はごまかされないよ。」
そうか・・・伊達に3年間、親友やってないってことだね。由夏の目はやっぱりごまかせない。
「うん・・・でもケンカしたとかじゃないよ。先輩とはいたって仲良し、でもね・・・。」
先輩のお父さんが会社の社長さんなのは知っていた、学校でも有名な話だし。だから広い家に住んでても全然不思議じゃない。
でも私は知らなかった、というか深く考えてなかった。それがどういうことなのかを。
昨日、家に帰った後、私は先輩のお父さんの会社をネット検索してみた。すると不動産管理やリゾ-トを手掛けている、かなり大きな会社であることがわかった。
ということは、先輩は、そこの御曹司。つまり先輩は将来、その会社をお父さんから受け継ぎ、社長さんになるということ。野球選手でも新聞記者でもない未来が先輩を待っているんだ。
「悠も珍しい人だね。彼氏がそんな人だったら普通喜ぶべきことなんじゃない?まさしく、玉の輿でしょ。」
由夏は呑気なことを言ってくれるけど、先輩の奥さんになる人には当然、それに見合う教養や家柄とかが、きっと求められることになるのは、容易に想像がつく。
加奈ちゃんと私の頭の出来は、とても比べものにならないし、先輩のお母さんが私に冷たかったのは、あんたなんかじゃ、とても息子の相手になんてならないよ、と思われたからに違いない。
「今からもうそんな先のこと考えて、落ち込んでたんだ?」
「だって・・・。」
「じゃ、先輩はなんで悠を彼女にしたの?からかってるの?それとも遊び相手として?」
「先輩はそんな・・・。」
「人じゃないってことは、悠が一番よく分かってるんじゃない?」
「由夏・・・。」
「先輩のそういう生い立ちというか立場に、ほとんど無頓着で、先輩をずっと想ってた悠って、私は素敵だと思うけどな。」
そう言うと由夏は、私を励ましてくれるかのように、大きくうなずいて見せた。