Some Day ~夢に向かって~
確かに1回キュン死した私は、でも必死に蘇った。だってこのまま死んじゃったら、悔やんでも悔やみきれないから!


そして、蘇った私はあふれる涙をこらえ切れないまま、先輩の肩に頭を預けた。それに応えて、私の肩を抱き寄せてくれる先輩。


「大好きだよ、徹くん。」


思わず、口からこぼれた言葉。


「今、なんて言った?」


それを聞いた先輩が、驚いたように聞き返して来る。


「だから、大好きだって・・・あっ。」


私、今、先輩のことを・・・。


「もう1回、呼んで。」


そう言って、私を見つめる先輩。自分でも驚くくらいに自然に出た呼び方。これが宿題の答えなんだ。


「徹、くん・・・。」


思わず呼んでしまったさっきと違って、メチャクチャ恥ずかしい。顔を赤らめる私に先輩・・・ううん徹くんは


「もう1度。」


と更に、真剣な眼差しで、私を見つめてくる。


再びキュン死モードに入りそうなところを、懸命に踏み留まりながら、私は必死に


「徹くん。」


と呼び掛けた。その私の声を聞いた徹くんは、顔をほころばせると

 
「よく出来ました。」


と言って、今度は私を正面から抱きしめてくれる。


「俺も大好きだよ、悠。」


そう私にささやいてくれた唇が、そのまま近づいて来る。


ダメ、いくら人目に付きにくくても、ここ学校だよって思ったけど、拒めない。というか拒む気なんかきっとない。


だって私は、自分の意思で目をつぶったんだもん。


初めて触れた徹くんの唇は、とっても柔らかくて、温かくて。忘れられない大切な思い出がまた1つ・・・。
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