Some Day ~夢に向かって~
学校に回ったのは、山上先生に合格の報告をする為。私達の報告に、先生は大いに喜んでくれた。そして、その報告が終わると、先生は私に尋ねた。
「白鳥の様子はどうだ?」
「はい、頑張ってます。」
「そうか・・・水木、頼んだぞ。」
「はい?」
「今のあいつを力づけてやれるのはお前しかしない。自分のことが終わったばかりで、すまんがよろしく頼む。」
「先生・・・。」
「あいつは戻って来てから、お前に夢中だった。忘れもしないよ、2学期の始業式の次の日、朝一で俺のとこに来たと思ったら、『席替えしないでくれって。』ってな。」
「えっ?」
「その後、教科書見せてくれってお前に頼んでたよな。あいつ、転校生でもないのに、何で教科書ないんだ?前の年に使ってたのがあるはずだろう。」
そう言いながら、ニヤニヤと笑う先生。
(ということは、徹くんは最初から、私に近づく為に・・・。)
いくつか重なった私にとって都合のいい「たまたま」。でもその内の1つは徹くんが作ってくれた「故意」だったんだ・・・。
「そういうことだ。可愛い奴だろ?だからその健気さに免じて、是非励ましてやってくれ。」
「はい・・・。」
「じゃ、明日から、2人とも待ってるぞ。」
そういうと先生は、私達の肩をポンと叩いた。
職員室を出ると、今度は由夏がニヤニヤ顔で話し掛けて来る。
「悠ちゃ~ん、愛されてたんだねぇ、最初っから。この幸せ者が。」
と言うと、肘で小突いて来る。
「ちょっと由夏。」
「照れるな、照れるな。まさか先輩が席替えなしにして欲しいって、先生に頼んでたとはねぇ。」
「だから、由夏の無茶なお願いの手助けをしてくれたんじゃない?気持ちがわかったんだよ、きっと。」
「ちょっと、悠。」
冷やかされるばかりだった私からの思わぬ反撃に、由夏が慌てた時
「あれ?水木さんと岩武さんじゃん。」
と私達を呼ぶ声がした。
「白鳥の様子はどうだ?」
「はい、頑張ってます。」
「そうか・・・水木、頼んだぞ。」
「はい?」
「今のあいつを力づけてやれるのはお前しかしない。自分のことが終わったばかりで、すまんがよろしく頼む。」
「先生・・・。」
「あいつは戻って来てから、お前に夢中だった。忘れもしないよ、2学期の始業式の次の日、朝一で俺のとこに来たと思ったら、『席替えしないでくれって。』ってな。」
「えっ?」
「その後、教科書見せてくれってお前に頼んでたよな。あいつ、転校生でもないのに、何で教科書ないんだ?前の年に使ってたのがあるはずだろう。」
そう言いながら、ニヤニヤと笑う先生。
(ということは、徹くんは最初から、私に近づく為に・・・。)
いくつか重なった私にとって都合のいい「たまたま」。でもその内の1つは徹くんが作ってくれた「故意」だったんだ・・・。
「そういうことだ。可愛い奴だろ?だからその健気さに免じて、是非励ましてやってくれ。」
「はい・・・。」
「じゃ、明日から、2人とも待ってるぞ。」
そういうと先生は、私達の肩をポンと叩いた。
職員室を出ると、今度は由夏がニヤニヤ顔で話し掛けて来る。
「悠ちゃ~ん、愛されてたんだねぇ、最初っから。この幸せ者が。」
と言うと、肘で小突いて来る。
「ちょっと由夏。」
「照れるな、照れるな。まさか先輩が席替えなしにして欲しいって、先生に頼んでたとはねぇ。」
「だから、由夏の無茶なお願いの手助けをしてくれたんじゃない?気持ちがわかったんだよ、きっと。」
「ちょっと、悠。」
冷やかされるばかりだった私からの思わぬ反撃に、由夏が慌てた時
「あれ?水木さんと岩武さんじゃん。」
と私達を呼ぶ声がした。