Some Day ~夢に向かって~
ウチの学校は、受験が終わると、自由登校ではなくなるので、みんな徐々に学校に帰って来る。
せいぜい指定された登校日に行ったり、始業式の次にみんなが揃うのは、卒業式のリハーサルの日なんて学校が多いみたいだから、その点、ちょっと珍しいかもしれない。
もっとも、授業はあるけど、もう教科書を離れた自由課題が中心で、今までとは雰囲気も変わって、和気あいあいでやっている。
それに、なんと言っても、もうすぐ卒業で、バラバラになってしまうのだから、クラスメイト達とこうして、当たり前のように会えるのも、あと僅か。私は、この学校のシステムが好きだ。
こうして、教室の空席がほとんどなくなって来たこの日。私は久々に緊張しながら、授業を受けていた。
と言っても、授業そのものなんて、半分以上うわの空。私は先生にバレないように、携帯をチェックし続けている。
徹くんの受験は続いていた。そして、今日が最後の合格発表。ここまで全敗の徹くんにとって、最後の砦とも言うべき日がやって来た。
山上先生に言われるまでもなく、私だって徹くんの力になりたい。だけど、現実に出来ることは電話やLINEで励ましの言葉をかけることくらい。せめて、会って直接、話が出来ればと思うけど、それもままならない現実。
今だって、こうしてヤキモキしながら、連絡を待ってるしかないのが悔しい。
気がつくと、由夏や加奈、沖田くんや塚原くん、それ以外のクラスメイト達もチラチラと私に視線を送って来る。みんな、今日がどういう日か知ってるんだ。
徹くんがこのクラスに来て半年。彼はもうすっかり、3-Aの一員になったんだと、改めて実感する。この仲間達の為にも、なんとか吉報を、私は祈るように、徹くんからの連絡を待った。
そして、ついに待ちに待ったLINEが入って来た。私は、大きく息をすると、画面を見た。
そこにはたった一言
『サクラチル』
とだけ書かれていた。私は、目を閉じると俯いた。
涙が滲んで来た。
せいぜい指定された登校日に行ったり、始業式の次にみんなが揃うのは、卒業式のリハーサルの日なんて学校が多いみたいだから、その点、ちょっと珍しいかもしれない。
もっとも、授業はあるけど、もう教科書を離れた自由課題が中心で、今までとは雰囲気も変わって、和気あいあいでやっている。
それに、なんと言っても、もうすぐ卒業で、バラバラになってしまうのだから、クラスメイト達とこうして、当たり前のように会えるのも、あと僅か。私は、この学校のシステムが好きだ。
こうして、教室の空席がほとんどなくなって来たこの日。私は久々に緊張しながら、授業を受けていた。
と言っても、授業そのものなんて、半分以上うわの空。私は先生にバレないように、携帯をチェックし続けている。
徹くんの受験は続いていた。そして、今日が最後の合格発表。ここまで全敗の徹くんにとって、最後の砦とも言うべき日がやって来た。
山上先生に言われるまでもなく、私だって徹くんの力になりたい。だけど、現実に出来ることは電話やLINEで励ましの言葉をかけることくらい。せめて、会って直接、話が出来ればと思うけど、それもままならない現実。
今だって、こうしてヤキモキしながら、連絡を待ってるしかないのが悔しい。
気がつくと、由夏や加奈、沖田くんや塚原くん、それ以外のクラスメイト達もチラチラと私に視線を送って来る。みんな、今日がどういう日か知ってるんだ。
徹くんがこのクラスに来て半年。彼はもうすっかり、3-Aの一員になったんだと、改めて実感する。この仲間達の為にも、なんとか吉報を、私は祈るように、徹くんからの連絡を待った。
そして、ついに待ちに待ったLINEが入って来た。私は、大きく息をすると、画面を見た。
そこにはたった一言
『サクラチル』
とだけ書かれていた。私は、目を閉じると俯いた。
涙が滲んで来た。