Some Day ~夢に向かって~
休み時間になり、私は教室を飛び出すと、徹くんに電話を掛ける。でも、電車で移動中なのか、出ないので、LINEに切り替える。


『お疲れ様でした。これから学校に来る?それともどこかで待ち合わせる?』


だけど、休み時間の間には、既読は付かず、私は次の時間の外部講師の講演を聞くために、講堂に移動した。


講演中は、さすがに携帯を開くことも出来ず、終了後、急いで見てみると、返信が来ていた。


『心配してくれて、ありがとう。学校には行かない、悪いけど、ゴ-さんに報告を頼むよ。今日はこれから、1人でいろいろ考えてみたい。ワガママ言ってゴメンな。明日は必ず、学校行くから。』


そっか、今日も会えないんだ・・・。正直寂しいけど、1人になりたいという徹くんの気持ちも、わからなくはない。


『わかった。だけど、声くらい聞きたいよ、ダメ?』


返信はすぐに来た。


『今、電車の中なんだ。あとで連絡するから。』


『うん、待ってる。』


LINEはここで終わった。それを待ちかねたように加奈が聞いて来た。


「先輩、学校来るって?」


「ううん、今日は1人になりたいって。」


「じゃあ、悠にも会わないの?」


「そうみたい。あとで電話はくれるらしいけど。」


私の返事に、由夏が首をひねる。


「こんだけみんなに心配かけてるのに・・・。悠にも会わないなんて、おかしくない?」


「他人のつまらない同情や慰めなんて、今に先輩には、クソの役にもたたねぇよ。むしろウザイだけだ。」


「他人って、私達はともかく、悠は先輩の彼女じゃない。」


由夏と塚原くんのバトルがまた始まりそうな気配に、私は慌てて言った。


「徹くんの気持ちもわかるし、とりあえず、電話待ってみるよ。」


午前中で学校は終わり。由夏達からはランチに誘われたけど、その気になれなかった私は、断って、真っ直ぐ家に戻って、徹くんからの電話を待った。
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