Some Day ~夢に向かって~
決断
翌朝、徹くんは約束通り、迎えに来てくれて、私達は久しぶりに一緒に登校する。
「始業式以来か。」
「そうだね。」
「付き合い始めてから、ほとんどまともなデートもしてないもんな、俺達。でもこれからは少しは出掛けられるな。」
「うん、楽しみだけど、大丈夫?」
「ちょっとは遊んだって、罰当たらないだろ。それに、こんな生活ずっと続けてたら、ストレスで倒れそうだし、悠にも逃げられちゃう。」
そう言うと、徹くんは笑う。その笑顔にホッしながら、私は混ぜっ返す。
「そんな〜、逃げるわけないじゃん。」
「大学入ったら、イケメンが全国から集まって来るんだ。暗い浪人生なんて、太刀打ち出来ねぇよ。」
「徹くん、それ本気で言ってるの?」
「結構本気。俺、悠を取られないか、心配でたまんねぇ。」
「そんなの大丈夫だよ。」
ここで、一拍置いたあと、私は尋ねた。
「やっぱり浪人するの?」
「ああ、結局それしかないだろ。記者になる為の専門学校もあるけど、それだけで就職出来るかと言えば、かなり厳しいみたいだし、これからある大学の2次募集も狭き門であることは間違いない。さすがにもう1年やりゃ、どっか引っ掛けるだろうからな。ただ・・・。」
「ただ?」
「親父が、浪人するなら将来に備えて、経営学部に行くのが絶対条件だとか、実地で鍛えるから、4月から勉強しながら、会社にも顔出せとか、訳わかんないこと言い出して。」
「ええっ?」
「そんなの無理だって、俺が言い返して、結局その押し問答で時間を空費したってわけ。」
「そうだったんだ・・・。」
ため息をつく徹くんに、私は同情を禁じ得なかった。
「始業式以来か。」
「そうだね。」
「付き合い始めてから、ほとんどまともなデートもしてないもんな、俺達。でもこれからは少しは出掛けられるな。」
「うん、楽しみだけど、大丈夫?」
「ちょっとは遊んだって、罰当たらないだろ。それに、こんな生活ずっと続けてたら、ストレスで倒れそうだし、悠にも逃げられちゃう。」
そう言うと、徹くんは笑う。その笑顔にホッしながら、私は混ぜっ返す。
「そんな〜、逃げるわけないじゃん。」
「大学入ったら、イケメンが全国から集まって来るんだ。暗い浪人生なんて、太刀打ち出来ねぇよ。」
「徹くん、それ本気で言ってるの?」
「結構本気。俺、悠を取られないか、心配でたまんねぇ。」
「そんなの大丈夫だよ。」
ここで、一拍置いたあと、私は尋ねた。
「やっぱり浪人するの?」
「ああ、結局それしかないだろ。記者になる為の専門学校もあるけど、それだけで就職出来るかと言えば、かなり厳しいみたいだし、これからある大学の2次募集も狭き門であることは間違いない。さすがにもう1年やりゃ、どっか引っ掛けるだろうからな。ただ・・・。」
「ただ?」
「親父が、浪人するなら将来に備えて、経営学部に行くのが絶対条件だとか、実地で鍛えるから、4月から勉強しながら、会社にも顔出せとか、訳わかんないこと言い出して。」
「ええっ?」
「そんなの無理だって、俺が言い返して、結局その押し問答で時間を空費したってわけ。」
「そうだったんだ・・・。」
ため息をつく徹くんに、私は同情を禁じ得なかった。