Some Day ~夢に向かって~
今日は2月最後の土曜日。私達の卒業も刻一刻、近づいて来ている。
そして今、私は、駅に向かっている。普段なら、自転車をかっ飛ばすところだけど、今日はバスでおしとやかに。だってこれから、徹くんと遊園地デ-トなんだもん。
何を着て行こうか、私は前日から大騒ぎ。由夏や加奈にはもちろんのこと、お母さんにまで相談して、ようやく決まったのが、今日の服装。徹くん、気に入ってくれるかな?
徹くんを待たせたくなかったから、余裕をもって駅に着いたつもりだったんだけど、待ち合わせ場所に行くと既に・・・。
「徹くん。」
「悠、おはよう。」
「ごめんなさい、待った?」
「今来たとこさ、って・・・。」
徹くんが急に言葉を切って、私の姿を見つめる。
「えっ、何かおかしかった、かな・・・?」
不安になって尋ねると
「鏡、見た?」
「い、一応・・・。」
「ヤバい。可愛すぎるんだけど。」
「えっ?」
「人混みに連れて来たくない。自宅デ-トに変更しようか?」
なんて真顔で言うから、恥ずかしくなってしまう。
「やだ、からかわないで。」
「とにかく、絶対俺から離れるな、約束だぞ。」
「う、うん。」
ちょっと大袈裟だと思うけど、とりあえずは気に入ってもらえたみたいで、よかった。
(やっぱりまずい、置いてなんて行けないよな、これじゃ・・・。)
なんて心の中で、徹くんが呟いてるなんて、夢にも思ってなかった。
私達が向かったのは、みなとみらいにある遊園地。
「そのイヤリング、着けて来てくれたんだ。」
「うん。」
私が欲しがってたのを、ちゃんと気付いて、贈ってくれたサプライズプレゼント。嬉しかったし、絶対に着けた姿を見てもらいたかった。
「似合ってる、かな?」
「もちろん。」
「よかった。」
そんなことを言いながら、現地に向かう私達。
でも、さっき徹くんは、私のことを言ってたけど、徹くんの方こそ、行き交う女の子達がみんな振り返るくらいカッコよくて。私の方が、よっぽど心配になっちゃうよ。
「着いたね〜。」
「ああ。」
いよいよ到着。私は、前に家族や由夏とは来たことがあるけど、リニューアルしてから、そして彼氏と来るのは、初めて。1年で1番寒い時期かもしれないけど、テンション上がるなぁ〜。
ダイビングコ-スタ-や急流すべりでキャ-キャ-騒ぎ、怖さが選べるホラ-アトラクションは当然怖さMAXで徹くんにしがみついて、お昼はフードコ-トのホットドッグやピザ、ポテトでお腹いっぱい。
その後も立体シアタ-や迷路、子供だましかなと思った宝探しなんかも、いざやってみたら結構真剣になっちゃった。
そして、冬の日の落ちるのは早い。あっという間に夕方から夜になって、いよいよ締めは大観覧車。土曜日だったから、家族連れも一杯いたんだけど、気が付けば、周りはカップルだらけ。
「ねぇ、あそこに写真撮るとこがあるよ。」
「撮ってもらって、観覧車乗ってる間に、現像出来てるって奴だよな。」
「きれいに撮れてたら、買おう。今日の記念に。」
「そうだな。」
結構な行列だったけど、2人で待ってれば、時間なんて全然気にならない。そして、私達の順番がやって来た。
にこやかな係員さん達に見送られて、私達のゴンドラは出発する。当然のように隣り合わせに座って、手を恋人つなぎで繋いだ私達は、寄り添って、周囲に広がるみなとみらいヨコハマの夜景を2人占めする。
「きれい・・・。」
「うん・・・。」
言葉少なに、夜景に見惚れる私達。ゴンドラの中は当然2人きり、まるでこの世に私達しかいないんじゃないかと思ってしまう。
「信じられないな。」
「何が?」
「こうやって徹くんと2人っきりで寄り添って、こんなきれいな夜景が見られるなんて。1年前、ううん半年前だって、想像も出来なかった。」
「俺もだよ。」
ゴンドラがだんだんと頂上に近づいて行く。
「悠。」
「はい。」
「好きだよ。」
「私も。」
「これからも・・・ずっと好きだから。」
「はい。」
そして近づいて来る徹くんの唇、私は目を閉じてその感触を待ち受ける。
幸せだった・・・。
そして今、私は、駅に向かっている。普段なら、自転車をかっ飛ばすところだけど、今日はバスでおしとやかに。だってこれから、徹くんと遊園地デ-トなんだもん。
何を着て行こうか、私は前日から大騒ぎ。由夏や加奈にはもちろんのこと、お母さんにまで相談して、ようやく決まったのが、今日の服装。徹くん、気に入ってくれるかな?
徹くんを待たせたくなかったから、余裕をもって駅に着いたつもりだったんだけど、待ち合わせ場所に行くと既に・・・。
「徹くん。」
「悠、おはよう。」
「ごめんなさい、待った?」
「今来たとこさ、って・・・。」
徹くんが急に言葉を切って、私の姿を見つめる。
「えっ、何かおかしかった、かな・・・?」
不安になって尋ねると
「鏡、見た?」
「い、一応・・・。」
「ヤバい。可愛すぎるんだけど。」
「えっ?」
「人混みに連れて来たくない。自宅デ-トに変更しようか?」
なんて真顔で言うから、恥ずかしくなってしまう。
「やだ、からかわないで。」
「とにかく、絶対俺から離れるな、約束だぞ。」
「う、うん。」
ちょっと大袈裟だと思うけど、とりあえずは気に入ってもらえたみたいで、よかった。
(やっぱりまずい、置いてなんて行けないよな、これじゃ・・・。)
なんて心の中で、徹くんが呟いてるなんて、夢にも思ってなかった。
私達が向かったのは、みなとみらいにある遊園地。
「そのイヤリング、着けて来てくれたんだ。」
「うん。」
私が欲しがってたのを、ちゃんと気付いて、贈ってくれたサプライズプレゼント。嬉しかったし、絶対に着けた姿を見てもらいたかった。
「似合ってる、かな?」
「もちろん。」
「よかった。」
そんなことを言いながら、現地に向かう私達。
でも、さっき徹くんは、私のことを言ってたけど、徹くんの方こそ、行き交う女の子達がみんな振り返るくらいカッコよくて。私の方が、よっぽど心配になっちゃうよ。
「着いたね〜。」
「ああ。」
いよいよ到着。私は、前に家族や由夏とは来たことがあるけど、リニューアルしてから、そして彼氏と来るのは、初めて。1年で1番寒い時期かもしれないけど、テンション上がるなぁ〜。
ダイビングコ-スタ-や急流すべりでキャ-キャ-騒ぎ、怖さが選べるホラ-アトラクションは当然怖さMAXで徹くんにしがみついて、お昼はフードコ-トのホットドッグやピザ、ポテトでお腹いっぱい。
その後も立体シアタ-や迷路、子供だましかなと思った宝探しなんかも、いざやってみたら結構真剣になっちゃった。
そして、冬の日の落ちるのは早い。あっという間に夕方から夜になって、いよいよ締めは大観覧車。土曜日だったから、家族連れも一杯いたんだけど、気が付けば、周りはカップルだらけ。
「ねぇ、あそこに写真撮るとこがあるよ。」
「撮ってもらって、観覧車乗ってる間に、現像出来てるって奴だよな。」
「きれいに撮れてたら、買おう。今日の記念に。」
「そうだな。」
結構な行列だったけど、2人で待ってれば、時間なんて全然気にならない。そして、私達の順番がやって来た。
にこやかな係員さん達に見送られて、私達のゴンドラは出発する。当然のように隣り合わせに座って、手を恋人つなぎで繋いだ私達は、寄り添って、周囲に広がるみなとみらいヨコハマの夜景を2人占めする。
「きれい・・・。」
「うん・・・。」
言葉少なに、夜景に見惚れる私達。ゴンドラの中は当然2人きり、まるでこの世に私達しかいないんじゃないかと思ってしまう。
「信じられないな。」
「何が?」
「こうやって徹くんと2人っきりで寄り添って、こんなきれいな夜景が見られるなんて。1年前、ううん半年前だって、想像も出来なかった。」
「俺もだよ。」
ゴンドラがだんだんと頂上に近づいて行く。
「悠。」
「はい。」
「好きだよ。」
「私も。」
「これからも・・・ずっと好きだから。」
「はい。」
そして近づいて来る徹くんの唇、私は目を閉じてその感触を待ち受ける。
幸せだった・・・。