Some Day ~夢に向かって~
いつまでも一緒に・・・
3月に入り、卒業式までのカウントダウンが始まった。
授業は2月一杯で終了し、もう私達が登校するのは、卒業式前日のリハ-サルと当日だけになってしまった。
過ぎ行く高校生活を惜しむかのように、私達はデ-トを重ね、友達との時間を過ごしている。
楽しくも充実した日々だったけど、その一方で私は、こんなに仲良くなれた友達と離れ離れになってしまう寂しさ、そして愛しい人と触れ合うことはもちろん、話すことすら、ままならなくなる日が着々と近づいて来ていることへの不安を募らせていた。
そんなある日のことだった。この日、私は久し振りに恋人や友人、家族以外の人と待ち合わせをしていた。
「お待たせ。」
「はい。」
みどりさんからのお誘いで、私は前に徹くんと来たことのある、イタリアンレストランでランチをすることになった。
「これ、よかったら。」
席に着くと、みどりさんは私に小さな包みを手渡してくれた。
「えっ、いいんですか?ありがとうございます。どちらか、行かれてたんですか?」
「うん、ちょっと沖縄に。」
「沖縄ですか。」
「松本くんに、会いに行って来たんだ。」
そう言うと、みどりさんは、はにかんだように笑う。そうか、松本先輩はもう春季キャンプだもんね。
「プロ野球のキャンプなんて、初めて行ったんだけど、お客さんも報道陣も凄い数で。練習も当たり前だけど、高校なんかとは比べ物にならないくらいハ-ドで。」
「去年は行かなかったんですか?」
「去年の今頃は、私まだ高校生だよ。今年は白鳥家に雇っていただいてるお陰で、なんとか旅費が出て、無事彼氏の陣中見舞いが出来ました。」
そう言うとみどりさんはまた笑顔を見せる。
「よかったですね。でも羨ましいです、みどりさんと松本先輩、ホントに仲良さそうで。」
「そうでもないよ。」
「えっ?」
「去年、1度ダメになりかけたんだ、私達。」
「まさか。」
私はとても信じられなかったけど、みどりさんの表情は真剣だった。
授業は2月一杯で終了し、もう私達が登校するのは、卒業式前日のリハ-サルと当日だけになってしまった。
過ぎ行く高校生活を惜しむかのように、私達はデ-トを重ね、友達との時間を過ごしている。
楽しくも充実した日々だったけど、その一方で私は、こんなに仲良くなれた友達と離れ離れになってしまう寂しさ、そして愛しい人と触れ合うことはもちろん、話すことすら、ままならなくなる日が着々と近づいて来ていることへの不安を募らせていた。
そんなある日のことだった。この日、私は久し振りに恋人や友人、家族以外の人と待ち合わせをしていた。
「お待たせ。」
「はい。」
みどりさんからのお誘いで、私は前に徹くんと来たことのある、イタリアンレストランでランチをすることになった。
「これ、よかったら。」
席に着くと、みどりさんは私に小さな包みを手渡してくれた。
「えっ、いいんですか?ありがとうございます。どちらか、行かれてたんですか?」
「うん、ちょっと沖縄に。」
「沖縄ですか。」
「松本くんに、会いに行って来たんだ。」
そう言うと、みどりさんは、はにかんだように笑う。そうか、松本先輩はもう春季キャンプだもんね。
「プロ野球のキャンプなんて、初めて行ったんだけど、お客さんも報道陣も凄い数で。練習も当たり前だけど、高校なんかとは比べ物にならないくらいハ-ドで。」
「去年は行かなかったんですか?」
「去年の今頃は、私まだ高校生だよ。今年は白鳥家に雇っていただいてるお陰で、なんとか旅費が出て、無事彼氏の陣中見舞いが出来ました。」
そう言うとみどりさんはまた笑顔を見せる。
「よかったですね。でも羨ましいです、みどりさんと松本先輩、ホントに仲良さそうで。」
「そうでもないよ。」
「えっ?」
「去年、1度ダメになりかけたんだ、私達。」
「まさか。」
私はとても信じられなかったけど、みどりさんの表情は真剣だった。