Some Day ~夢に向かって~
私は決心した、アタックしようって。敵わないと思っていた本命が、自らレ-スを止めようとしている。この機を逃すなんて、女じゃない!


なんてね、そんなことしても、所詮ピエロになるだけ。わかってるんだ、悠ちゃんが何を勘違いして、あんなことを言い出したのかは、わからないけど、先輩の気持ちはもう揺るがない。私の入り込む隙間なんか、残念ながら、どこにもない。


それでもいい、このまま引き下がるのは癪だった。私だって、先輩を思う気持ちは、悠ちゃんに負けてないつもりだから。ダメでもともと、いざ、勝負!


先輩を屋上に呼び出した私は告白した。あなたが悠ちゃんのことが好きなのは、わかってる、だけど、私はあなたの彼女に立候補するって。


「先輩はお父様の会社、継がれるんですよね。だとしたら、悠ちゃんより私の方が、将来先輩のパ-トナ-として、お役に立てる可能性が高いと思います。」


最後に付け加えた一言に、先輩は一瞬驚いたようだったけど、結局無反応だった。たぶん、何を言ってやがると呆れられたんだろう。


悠ちゃんに勝ち目があるとしたら、ここぐらいしかなかったから、言っちゃったけど、要はあの子、私よりバカだから止めときなって言ったようなもの。私って、最低だ・・・。
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