Some Day ~夢に向かって~
今日は2学期最後の午後までカリキュラムの日、というか私達が学校で昼食を摂る最後の日。
由夏と悠ちゃんは、いつものように2人で屋上へ上がって行った。私は5分遅れで屋上においでって、由夏に言われてる。
悠ちゃんは私にまた笑顔を向けてくれるだろうか?もし立場が逆だったら、私はどうするだろう・・・。何度も何度も考えてみたけど、結論は出なかった。1つだけはっきりしてること、それは私は今、すごく虫のいい話をしようとしてるということ。
私は大きく深呼吸をすると、教室を出た。階段を上がって、屋上までたどり着いて、少しすると、由夏の声が聞こえて来た。
「だからさ、最後なんだから、久しぶりに3人で食べようよ。そんな所に立ってないでさ。」
それが、私を呼びこむ合図の言葉。私は躊躇を振り払って、屋上に出た。
「加奈ちゃん。」
私の姿を見て、驚きを隠せない悠ちゃん。悠ちゃんの顔をまともに見られずにうつむく私。そんな私達に由夏は、明るく呼びかけた。
「よく来たね。さ、一緒に食べよう。悠、いいよね?」
だけど、その由夏の言葉に答えた悠ちゃんの声は、聞いたことないくらい冷たかった。
「どうしようかな?」
「ちょっと悠。」
自分が思い描いていた段取りと、違った展開になり、慌てた声を出す由夏に構わず、悠ちゃんは冷たい視線を私に向けている。
「どうしてもって言うんなら、私の言う事を1つ聞いてくれる?」
土下座して謝れって言われちゃうのかな、それとも往復ビンタでも飛んでくるのか・・・覚悟を決めて、私は次の悠ちゃんの言葉を待つ。
「もう2度と私のことを『水木さん』なんて呼ばないって約束してほしいな。」
それはいつもの優しい悠ちゃんの口調だった。それに引き込まれたように、顔を上げた私に
「ね、加奈ちゃん。」
と暖かい笑顔を向けてくれた悠ちゃん。その笑顔を見た途端、私の目から涙があふれて来た。
「悠ちゃん、ごめんね、本当にごめんなさい。」
私は夢中で悠ちゃんの胸に飛び込んでいた。
「加奈ちゃん、悪いけど、徹くんは絶対に譲れないよ。それでも私と友達でいてくれるの?」
「うん、悠ちゃんが嫌じゃなかったら。だってもし、悠ちゃんと由夏がいてくれなかったら、私の高校3年間、なんにも残らないもん。」
「そんなことないだろうけど。でもよかった、これからはまた3人組で行こうね。」
「由夏、ありがとう・・・。」
泣きながら言う私の頭を、悠ちゃんは優しくなでてくれていた。
由夏と悠ちゃんは、いつものように2人で屋上へ上がって行った。私は5分遅れで屋上においでって、由夏に言われてる。
悠ちゃんは私にまた笑顔を向けてくれるだろうか?もし立場が逆だったら、私はどうするだろう・・・。何度も何度も考えてみたけど、結論は出なかった。1つだけはっきりしてること、それは私は今、すごく虫のいい話をしようとしてるということ。
私は大きく深呼吸をすると、教室を出た。階段を上がって、屋上までたどり着いて、少しすると、由夏の声が聞こえて来た。
「だからさ、最後なんだから、久しぶりに3人で食べようよ。そんな所に立ってないでさ。」
それが、私を呼びこむ合図の言葉。私は躊躇を振り払って、屋上に出た。
「加奈ちゃん。」
私の姿を見て、驚きを隠せない悠ちゃん。悠ちゃんの顔をまともに見られずにうつむく私。そんな私達に由夏は、明るく呼びかけた。
「よく来たね。さ、一緒に食べよう。悠、いいよね?」
だけど、その由夏の言葉に答えた悠ちゃんの声は、聞いたことないくらい冷たかった。
「どうしようかな?」
「ちょっと悠。」
自分が思い描いていた段取りと、違った展開になり、慌てた声を出す由夏に構わず、悠ちゃんは冷たい視線を私に向けている。
「どうしてもって言うんなら、私の言う事を1つ聞いてくれる?」
土下座して謝れって言われちゃうのかな、それとも往復ビンタでも飛んでくるのか・・・覚悟を決めて、私は次の悠ちゃんの言葉を待つ。
「もう2度と私のことを『水木さん』なんて呼ばないって約束してほしいな。」
それはいつもの優しい悠ちゃんの口調だった。それに引き込まれたように、顔を上げた私に
「ね、加奈ちゃん。」
と暖かい笑顔を向けてくれた悠ちゃん。その笑顔を見た途端、私の目から涙があふれて来た。
「悠ちゃん、ごめんね、本当にごめんなさい。」
私は夢中で悠ちゃんの胸に飛び込んでいた。
「加奈ちゃん、悪いけど、徹くんは絶対に譲れないよ。それでも私と友達でいてくれるの?」
「うん、悠ちゃんが嫌じゃなかったら。だってもし、悠ちゃんと由夏がいてくれなかったら、私の高校3年間、なんにも残らないもん。」
「そんなことないだろうけど。でもよかった、これからはまた3人組で行こうね。」
「由夏、ありがとう・・・。」
泣きながら言う私の頭を、悠ちゃんは優しくなでてくれていた。