Some Day ~夢に向かって~
「な、大丈夫だろ?」


ここは徹くんの部屋。入るなり、徹くんはニヤッと笑って、そう言った。


「そうだよ。お母さんは私と同じくらい、悠ちゃんが大好きなんだから。」


「うん・・・。」


お母さんは確かに、私を歓迎してくれてる。でも前回の時のことは、私の思い過ごしじゃ、絶対ないよ。


「ねぇ、トランプやろうよ、UNOでもいいけど。悠ちゃんはどっちがいい?」


そして、唯ちゃんは今日も私達を2人にするつもりはないみたい。私がチラリと徹くんを見ると苦笑いしてる。


「う〜ん、そうだなぁ。じゃUNOにしようか。」


私がそう答えると、唯ちゃんは嬉しそうに準備を始めた。


こうして始まった彼氏の部屋でのUNOだけど、これが結構盛り上がっちゃって・・・。その最中、私は聞いた。


「徹くん、お夕飯ってお母さんが作ってくれるの?」


「当たり前じゃん。まさか、こいつに作らせたら、明日俺達学校行けないぜ。」


からかうような徹くんの言葉に


「何よ。お兄ちゃんだって、何にも出来ないじゃん。男は料理出来なくていいなんて時代はとっくに過ぎたんだよ。」


と言い返す唯ちゃん。


「だからと言って、女が料理出来なくてもいいってことにはなんねぇだろ。」


「まぁまぁ、2人とも。でも、お母さん、ご自分で料理するんだね。」


「他に誰がする?親父に出来るわけないし、オフクロが作ってくんなかったら、俺達餓死だぜ。」


「でも、普通お手伝いさんとかが・・・。」


そんな私の言葉に、吹き出す徹くんと唯ちゃん。


「悠、なんか勘違いしてるな。ウチにそんなもん、居るわけねぇじゃん。家が無駄にだだっ広いから、さすがにやりきれなくて、週に何回か、家の掃除に来てもらってる人はいるけど、基本的に家事はオフクロがやってるよ。」


無駄にだだっ広いって・・・。でもなんか、安心。
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