Some Day ~夢に向かって~
どうしよう。 


もし、桜井さんが言ってたことが、本当だとしたら、私は先輩に酷いことを言ってしまったことになる。


もちろん、先輩を庇って、あんなことを言った可能性は否定出来ないけど、とにかく放課後に作業を再開してみないと、本当のことはわからない。


「いろいろあったみたいだが、俺はあえて何も言わん。文化祭は基本的には、生徒主催のイベントだ。最高学年として、見事やり抜いて見せてくれ。」


準備が始まってから、終礼は常に短いけど、この日も山上先生は一言だけ、こう言うと、教室を後にした。


そして、この日の準備作業が始まった。昨日、途中で帰ってしまったから、私の作業は遅れている。


そちらに取り掛かりながらも、私はどうしても、装飾班の様子を伺ってしまう。


「なぁ、先生じゃないけど、いろいろあった。でも出来たら力を合わせて、最後の文化祭をクラスとして成功させたいんだ。」


「白鳥さんも休んでるし、ここの作業は遅れてる。一緒にやってくれないかな。」


加瀬くんと女子の実行委員の長谷川菜摘さんが、取り巻き女子達を説得している。


でも彼女達の反応は薄い。私は思わず立ち上がりかけたけど、由夏に抑えられる。


「白鳥さんは、自分のやるべきことは、やってたみたいだけど、しかしお前達のサボタージュを目の当たりにしながら、何も言わなかった。」 


と話し始めたのは、装飾班のリーダーの男子。


「白鳥さんに言われれば、お前達は内心しぶしぶだろうけど、作業に参加しただろう。そして白鳥さんもそれはわかってたはずだ。だけど、あの人は何も言わなかった。」
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