Some Day ~夢に向かって~
「水木と仲直りしたい。」
「えっ?」
「水木と気まずいままじゃ嫌なんだよ。だから仲直りしに来た。」
体調悪いのに、先輩はわざわざ、その為に来てくれたんだ。私に異存なんて、あるわけがない。
「私も嫌です、だから喜んで。」
泣き笑いの顔で答える私。
「喜んで、か。」
「はい。」
「あの時も。」
「えっ?」
「初めて俺が水木に教科書見せてくれって頼んだ時も、君は『喜んで』って言ってくれた。」
そうだったかな?よく覚えてないけど、でも先輩に声掛けられて、嬉しかったのは間違いない。
「その気持ちが嬉しいよ、ありがとう。」
「先輩・・・。」
視線が合って、恥ずかしくてうつむいてしまった私の頭に、またポンと触れると先輩は言う。
「さぁ、これで、明日は晴れ晴れとした気持ちで学校に行ける。」
「はい、待ってます。」
「じゃ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
自転車を漕ぎ出した先輩は、ふと足を止める。
「そうだ、もう1つ。」
振り返って、先輩は言う。
「迷惑じゃなきゃ、また塾の帰り、一緒に帰ろう。」
「はい、喜んで。」
思わずまた口にしてしまった言葉に、先輩はニコッと笑うと、右手の親指を突き立てながら、私にウインクを残すと、今度こそ走り出して行った。
(だって、本当に嬉しかったんだもん。)
遠くなって行く先輩の後ろ姿に、私はつぶやいていた。
「えっ?」
「水木と気まずいままじゃ嫌なんだよ。だから仲直りしに来た。」
体調悪いのに、先輩はわざわざ、その為に来てくれたんだ。私に異存なんて、あるわけがない。
「私も嫌です、だから喜んで。」
泣き笑いの顔で答える私。
「喜んで、か。」
「はい。」
「あの時も。」
「えっ?」
「初めて俺が水木に教科書見せてくれって頼んだ時も、君は『喜んで』って言ってくれた。」
そうだったかな?よく覚えてないけど、でも先輩に声掛けられて、嬉しかったのは間違いない。
「その気持ちが嬉しいよ、ありがとう。」
「先輩・・・。」
視線が合って、恥ずかしくてうつむいてしまった私の頭に、またポンと触れると先輩は言う。
「さぁ、これで、明日は晴れ晴れとした気持ちで学校に行ける。」
「はい、待ってます。」
「じゃ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
自転車を漕ぎ出した先輩は、ふと足を止める。
「そうだ、もう1つ。」
振り返って、先輩は言う。
「迷惑じゃなきゃ、また塾の帰り、一緒に帰ろう。」
「はい、喜んで。」
思わずまた口にしてしまった言葉に、先輩はニコッと笑うと、右手の親指を突き立てながら、私にウインクを残すと、今度こそ走り出して行った。
(だって、本当に嬉しかったんだもん。)
遠くなって行く先輩の後ろ姿に、私はつぶやいていた。