Some Day ~夢に向かって~
私が向かったのは、野球部がいつも練習しているグラウンド。先輩にとっては、思い出が詰まり過ぎるくらい詰まっている場所、ここで先輩は私を待っていると言っていた。
暑かった夏が過ぎ、既に日暮れを迎えたグラウンドは、秋の心地良い空気に包まれている。
「水木。」
グラウンドにはチラホラと人影は見えたけど、野球部の人たちはもう引き上げたのか、思ったほどではなかった。先輩の姿を探してキョロキョロしていた私に先輩が声を掛けてくれる。
「先輩。」
私は先輩に駆け寄る。
「ありがとう、来てくれて。」
「いいえ、私の方こそ、誘っていただいて、ありがとうございます。」
私達は笑顔を交わすけど、ちょっとぎこちない空気も流れてる。
「思ったより、人が少ないですね。」
「うん、俺達の頃は、招待試合のあとの片付けやグラウンド整備が終わると、ちょうどこのくらいの時間で、みんなでここから花火を眺めたものだったけど、今年は招待試合はなかったからなぁ。」
甲子園に出場出来なかったから、招待試合は中止ということらしかった。
「花火が始まると、いつの間にか松本とみどりが寄り添って、上を見上げててさ。それがなんとも自然で、いい雰囲気で。俺達は羨ましいやら、でも微笑ましいやら。」
「そうだったんですか。」
先輩は、懐かしそうにグラウンドを見つめていたけど、やがて私に視線を戻した。
「そう言えば、昼間、何話したんだ?みどりと。」
「えっ、はい、その・・・今度話します。」
私の先輩に対する気持ちを聞いてもらっちゃったなんて、今は言えないもんね。
「今はナイショって言うことか、気になるな。」
そう言うと先輩は私の顔をからかうように、覗き込む。
「そ、そんなんじゃありません。」
先輩の顔が近づいて来て、私は顔を真っ赤にしながら答える。
「ヤバイ、可愛すぎる。」
「えっ?」
先輩がボソッともらした一言が、耳に入った私が思わず先輩を見ると、先輩も顔を赤くして、ちょっとソッポを向いていた。
暑かった夏が過ぎ、既に日暮れを迎えたグラウンドは、秋の心地良い空気に包まれている。
「水木。」
グラウンドにはチラホラと人影は見えたけど、野球部の人たちはもう引き上げたのか、思ったほどではなかった。先輩の姿を探してキョロキョロしていた私に先輩が声を掛けてくれる。
「先輩。」
私は先輩に駆け寄る。
「ありがとう、来てくれて。」
「いいえ、私の方こそ、誘っていただいて、ありがとうございます。」
私達は笑顔を交わすけど、ちょっとぎこちない空気も流れてる。
「思ったより、人が少ないですね。」
「うん、俺達の頃は、招待試合のあとの片付けやグラウンド整備が終わると、ちょうどこのくらいの時間で、みんなでここから花火を眺めたものだったけど、今年は招待試合はなかったからなぁ。」
甲子園に出場出来なかったから、招待試合は中止ということらしかった。
「花火が始まると、いつの間にか松本とみどりが寄り添って、上を見上げててさ。それがなんとも自然で、いい雰囲気で。俺達は羨ましいやら、でも微笑ましいやら。」
「そうだったんですか。」
先輩は、懐かしそうにグラウンドを見つめていたけど、やがて私に視線を戻した。
「そう言えば、昼間、何話したんだ?みどりと。」
「えっ、はい、その・・・今度話します。」
私の先輩に対する気持ちを聞いてもらっちゃったなんて、今は言えないもんね。
「今はナイショって言うことか、気になるな。」
そう言うと先輩は私の顔をからかうように、覗き込む。
「そ、そんなんじゃありません。」
先輩の顔が近づいて来て、私は顔を真っ赤にしながら答える。
「ヤバイ、可愛すぎる。」
「えっ?」
先輩がボソッともらした一言が、耳に入った私が思わず先輩を見ると、先輩も顔を赤くして、ちょっとソッポを向いていた。