Some Day ~夢に向かって~
遠くに聞こえる吹奏楽部の演奏が、聞き覚えのある曲に変わる。演奏される曲は、年によって変わるけど、ラストの曲だけは毎年恒例。その曲が終わるのを合図に花火が打ち上がるんだ。
(いよいよだ・・・。)
私が身を固くしてると
「ちょっと、こっちに来て。」
と先輩がいきなり私の手を引いて、少し早足で歩き出す。
(えっ?)
それは突然のファ-ストボディコミュニケーション。心拍数は急上昇、心臓の鼓動が先輩が届いてしまうんじゃないかと思ってしまうけど、私の右手を握る先輩の左手も汗ばんでいることに気付く。
(先輩もドキドキしてくれてるのかな・・・?)
そう思うとなんとなく嬉しくて、ホッとする私。
私の手を引いて、先輩がやって来たのは、グラウンドから少し離れた物陰。
「こないだ、練習見にきた時、見つけたんだ。」
先輩は息を弾ませながら言う。
「ここならグラウンドから見えない、ちょっとした穴場だよ。」
「はい。」
返事をする私と目が合うと、先輩は照れ臭そうに、花火が上がる方向に視線を逸らしてしまう。だけど、つないでる手を離そうとは絶対にしなかった。
(先輩・・・。)
心の中でそう呼びかけると、私も先輩と同じ方向を見上げる。最初の花火はどんなだろう、私が心弾ませた、その時だ。
(何?)
私の額に、ほほに、当たるこれは・・・。
(うそでしょ?!)
思わず心の中で叫ぶ。
ポツ、ポツ・・・最初はまばらだったその水滴は、すぐにその勢力を増して、私達に襲いかかって来た。
「水木!」
「先輩!」
もう花火どころの騒ぎではない。ム-ドもなにもぶち壊し、私達は手こそ離さなかったけど、ほうほうの体で校舎に逃げ込むしかなかった・・・。
(いよいよだ・・・。)
私が身を固くしてると
「ちょっと、こっちに来て。」
と先輩がいきなり私の手を引いて、少し早足で歩き出す。
(えっ?)
それは突然のファ-ストボディコミュニケーション。心拍数は急上昇、心臓の鼓動が先輩が届いてしまうんじゃないかと思ってしまうけど、私の右手を握る先輩の左手も汗ばんでいることに気付く。
(先輩もドキドキしてくれてるのかな・・・?)
そう思うとなんとなく嬉しくて、ホッとする私。
私の手を引いて、先輩がやって来たのは、グラウンドから少し離れた物陰。
「こないだ、練習見にきた時、見つけたんだ。」
先輩は息を弾ませながら言う。
「ここならグラウンドから見えない、ちょっとした穴場だよ。」
「はい。」
返事をする私と目が合うと、先輩は照れ臭そうに、花火が上がる方向に視線を逸らしてしまう。だけど、つないでる手を離そうとは絶対にしなかった。
(先輩・・・。)
心の中でそう呼びかけると、私も先輩と同じ方向を見上げる。最初の花火はどんなだろう、私が心弾ませた、その時だ。
(何?)
私の額に、ほほに、当たるこれは・・・。
(うそでしょ?!)
思わず心の中で叫ぶ。
ポツ、ポツ・・・最初はまばらだったその水滴は、すぐにその勢力を増して、私達に襲いかかって来た。
「水木!」
「先輩!」
もう花火どころの騒ぎではない。ム-ドもなにもぶち壊し、私達は手こそ離さなかったけど、ほうほうの体で校舎に逃げ込むしかなかった・・・。