Some Day ~夢に向かって~
「唯の奴、やっと水木の所、行ったみたいだな。」
その夜、予備校からの帰り道、先輩が切り出してきた。
「はい、ちゃんと謝ってもらいました。私の方も悪かったのに、なんか申し訳なかったです。」
「そんなこと言わないでくれよ。そうやってみんなが甘やかすから、あいつは図に乗っちゃうんだ。『悠ちゃんと仲直りして来たよ~』なんて、シレッと言いやがって、だいだい悠ちゃんだとかソウくんだとか、先輩捕まえて、とんでもないよ。兄貴として恥ずかしい。」
さすがに運動部出身だけに、長幼の列には厳しいみたい。まぁ私も驚いたけど、唯ちゃんなら、なんか許せちゃうって感じ。
「あいつには、もう1度ちゃんと言っとくから。」
「大丈夫ですよ、私は。先輩がやっと口利いてくれたって唯ちゃん喜んでましたから、兄妹仲良くしてください。」
私がそう言うと、先輩はムスッとして黙る。本当は照れてるんだよな、唯ちゃんが可愛くて仕方ないんだよ、先輩は。
そのまま少し、黙って肩を並べて私達は歩いていたけど、また先輩が口を開いた。
「水木。」
「はい。」
「実は・・・。」
一瞬、言いよどんだ後、先輩は意外なことを言い出した。
「俺、予備校辞めようと思うんだ。」
「えっ?」
びっくりして足を止める私。
その夜、予備校からの帰り道、先輩が切り出してきた。
「はい、ちゃんと謝ってもらいました。私の方も悪かったのに、なんか申し訳なかったです。」
「そんなこと言わないでくれよ。そうやってみんなが甘やかすから、あいつは図に乗っちゃうんだ。『悠ちゃんと仲直りして来たよ~』なんて、シレッと言いやがって、だいだい悠ちゃんだとかソウくんだとか、先輩捕まえて、とんでもないよ。兄貴として恥ずかしい。」
さすがに運動部出身だけに、長幼の列には厳しいみたい。まぁ私も驚いたけど、唯ちゃんなら、なんか許せちゃうって感じ。
「あいつには、もう1度ちゃんと言っとくから。」
「大丈夫ですよ、私は。先輩がやっと口利いてくれたって唯ちゃん喜んでましたから、兄妹仲良くしてください。」
私がそう言うと、先輩はムスッとして黙る。本当は照れてるんだよな、唯ちゃんが可愛くて仕方ないんだよ、先輩は。
そのまま少し、黙って肩を並べて私達は歩いていたけど、また先輩が口を開いた。
「水木。」
「はい。」
「実は・・・。」
一瞬、言いよどんだ後、先輩は意外なことを言い出した。
「俺、予備校辞めようと思うんだ。」
「えっ?」
びっくりして足を止める私。