Some　Day　～夢に向かって～
先輩は私の何なの？私は先輩の何だろう・・・加瀬くんに問われて、答えに詰まっちゃうって・・・。


「水木さん、目を覚ませよ。君が白鳥さんに好意を持ってるのは知ってる。そして、その気持ちをあの人もわかってて、それを利用してるだけなんだ。」


「そんなこと・・・。」


「ないって言い切れるか？君はあの人の何なんだよって言う俺の問いに答えられないのに。」


「加瀬くん・・・。」


加瀬くんは知らないんだ、後夜祭の時、先輩はちゃんと私に気持ちを伝えようとしてくれたんだ。だけど雨が降っちゃって・・・でも、結局そのままうやむやになっちゃってるのも確か・・・。


「水木さん。」


加瀬くんは真っ直ぐに私を見る。


「俺は・・・君が好きだ。」


「えっ？」


思いもよらない加瀬くんの言葉に、私は唖然としながら、彼の顔を見つめてしまう。


「ずっと好きだった、だけど言えなかった。今年初めてクラス一緒になったのに、勇気がなくて・・・受験のことも考えると・・・。」


「加瀬くん・・・。」


「そのうち、あの人が帰って来るし、もう駄目だと思った。でも文化祭の時の君の何事にもひたむきに取り組む態度を見てて、俺は自分が間違ってなかったって確信した。君は素敵な人だ、俺はそんな君がやっぱり好きなんだ。」


「・・・。」


「そんな君が、あの人に振り回されて、いいように利用されて、もう見てられない、我慢できないんだよ、もう。」


そう言うと加瀬くんは私との距離を縮めて来る。思わず後ずさりする私。
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