Some Day ~夢に向かって~
加瀬くんのバカ、なんで11月の今の時期になって、あんなこと言い出すの?
こう見えても、私だって、告白されたことがないわけじゃない。僭越ながらお気持ちを、お受けしたことはないけど。由夏には、悠はやっぱり先輩一筋なんだねぇって、からかわれたけど、そういう気持ちもあったけど、それよりなにより別に特に可愛いわけでも、美人でもない私に告白なんて、それこそからかわれてるとしか思えなかったから。
だって、そんなことを言ってくる人はクラスや学年も違う、私が全然存じ上げない人ばっかりだったし。
でも加瀬くんは同じクラスだし、あのことは許せないけど、でも悪い人ではないと思うし、なにより私の事を真剣に思ってくれてるのかな、っていうことは伝わって来た。
それだけに、なんで今って思う。それに私はやっぱり先輩のことが・・・。
そんな雑念が浮かび上がって来るのを、懸命に振り払いながら、机に向かってると、携帯が鳴った。先輩からだ。
「もしもし。」
『ゴメンな、今大丈夫か?』
「はい、大丈夫です。」
『実は報告があってさ。』
「なんですか?」
『家庭教師、決まったんだよ。』
「そうなんですか、よかったですね。」
『水木も知ってる奴なんだ。』
「私がですか?」
『うん。』
先輩の家庭教師が出来るような、私の知り合いなんて、いるかなぁ・・・?
『みどり、なんだよ。』
「えっ?」
みどりさんが先輩の家庭教師・・・?
『まさかみどりがやってくれるなんて、俺にとっちゃ、最強の家庭教師だよ。』
先輩の楽しそうな、嬉しそうな声が続いているけど、私の耳にはもう入って来ない。そして、その「音」を聞いていることに耐えられなくなった私は
「先輩、じゃあ、これで私はお役御免ですね。勉強頑張って下さい。」
『あっ、もしもし水木?』
慌てたような先輩の声が聞こえて来たけど、私は構わず電話を切ってしまった。
『水木さんはあの人の何なんだよ?』
『君はあの人に利用されてるだけだ。』
加瀬くんの言葉が、どこからか聞こえてくるような気がして、私は思わず耳をふさぐ。
(なんで今、こんなことで苦しまなきゃいけないの?)
悔しくて、つらくて、涙が出る。
こう見えても、私だって、告白されたことがないわけじゃない。僭越ながらお気持ちを、お受けしたことはないけど。由夏には、悠はやっぱり先輩一筋なんだねぇって、からかわれたけど、そういう気持ちもあったけど、それよりなにより別に特に可愛いわけでも、美人でもない私に告白なんて、それこそからかわれてるとしか思えなかったから。
だって、そんなことを言ってくる人はクラスや学年も違う、私が全然存じ上げない人ばっかりだったし。
でも加瀬くんは同じクラスだし、あのことは許せないけど、でも悪い人ではないと思うし、なにより私の事を真剣に思ってくれてるのかな、っていうことは伝わって来た。
それだけに、なんで今って思う。それに私はやっぱり先輩のことが・・・。
そんな雑念が浮かび上がって来るのを、懸命に振り払いながら、机に向かってると、携帯が鳴った。先輩からだ。
「もしもし。」
『ゴメンな、今大丈夫か?』
「はい、大丈夫です。」
『実は報告があってさ。』
「なんですか?」
『家庭教師、決まったんだよ。』
「そうなんですか、よかったですね。」
『水木も知ってる奴なんだ。』
「私がですか?」
『うん。』
先輩の家庭教師が出来るような、私の知り合いなんて、いるかなぁ・・・?
『みどり、なんだよ。』
「えっ?」
みどりさんが先輩の家庭教師・・・?
『まさかみどりがやってくれるなんて、俺にとっちゃ、最強の家庭教師だよ。』
先輩の楽しそうな、嬉しそうな声が続いているけど、私の耳にはもう入って来ない。そして、その「音」を聞いていることに耐えられなくなった私は
「先輩、じゃあ、これで私はお役御免ですね。勉強頑張って下さい。」
『あっ、もしもし水木?』
慌てたような先輩の声が聞こえて来たけど、私は構わず電話を切ってしまった。
『水木さんはあの人の何なんだよ?』
『君はあの人に利用されてるだけだ。』
加瀬くんの言葉が、どこからか聞こえてくるような気がして、私は思わず耳をふさぐ。
(なんで今、こんなことで苦しまなきゃいけないの?)
悔しくて、つらくて、涙が出る。