Some Day ~夢に向かって~
「そっか、やっぱりコクられたんだ。」


昼休み、屋上に来た途端に、いろいろ問い詰められた私は、とうとう昨日の顛末を由夏達に話した。朝からの私の様子で、当然何かあったことはもう、わかっちゃってるだろうし。


「それにしても危なかったね。私がちゃんと付いてってあげればよかった、ゴメンね。」


「ううん、私が呑気すぎたんだよ。」


「でも、聡志もたまには役に立つじゃない。あとで誉めてやろう。」


そのセリフに、横にいた加奈ちゃんがクスリと笑ったが、すぐに真顔に戻って、私に聞く。


「で、どうするの?返事は。」


「当然ノ-よ、私の悠に手を出そうとするなんて、絶対に許さない。」


息巻く由夏の言葉に私は肯いたけど


「でもね。」


「うん?」


「加瀬くんの気持ちは、素直に嬉しかったな。」


「えっ?」


私の言葉に驚く2人。


「今まで何回か、からかわれたことはあったけど、本気で好きだって言われたことはなかったから。その想いに応えられないのは、申し訳ないけど、でも加瀬くんには感謝してる。」


「悠・・・。」


「たぶん人を好きになるってことを、私は本当にはわかってなかった。」


昨日ずっと考えてて、私はそう思い至った。


「加奈ちゃん。私、先輩にずっと憧れた。憧れてた時は、遠くから眺めてるだけで、満足だった。コクるなんて、とんでもない、そんな勇気もパワ-も私は持ち合わせてなかったから。」


「・・・。」


「でも先輩とクラスメイトになって、仲良くなれると、私の中で先輩は『憧れの人』からはっきり『好きな人』になったんだ。そしたらさ、もう眺めてるだけじゃ満足できなくなっちゃった。先輩のこともっと知りたい、先輩にもっと触れたい、もっと一緒にいたい・・・って。」


私は夢中で話し続けた。
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