Some Day ~夢に向かって~
「それってつまり・・・妬いてくれたってこと?」


恥ずかしくて先輩の顔を見られないでうつむいている私に、落ちてきた言葉はいよいよ私の頬を赤く染める。でも、もう今更誤魔化せないし・・・。


「はい、妬きました。自分でもどうしようもないくらい。先輩がみどりさんと肩寄せ合って、2人きりで勉強してると思ったら、もう悔しくて、悲しくて、つらくて、切なくて、とにかくどうしようもなくなっちゃって・・・あんな気持ちになったのは生まれて初めてでした。」


でもそれは私の妄想だった。さっきみどりさんが全てを話してくれた。みどりさんは前から、よく先輩を含めた仲間の人と勉強会をしていたこと、そして今回は先輩だけでなく、唯ちゃんにも一緒の部屋で勉強を教えていること。


「いくら白鳥くんが仲間でも、2人きりはまずいよね。まして、悠ちゃんの気持ちもちゃんと聞いてるのに。それに私は松本くんを愛してますから。」


なんて、しっかりノロけられちゃった私。もう、どうしよう。結局、自分の早とちり。穴があったら入りたい気持ちの私に思いがけない言葉が聞こえて来た。


「なんか嬉しい。」


「えっ?」


「水木が俺のこと、妬いてくれたなんて。」


「先輩・・・。」


もう、こんな時に、からかわないでよ・・・私がちょっと拗ねた気持ちになっていると


「でも、もうそんな思いは、2度とさせないから。ゴメン、許してくれ。」


と私を見つめるその真剣な眼差しに、一転、私の心は跳ねてしまう。
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