地下室のフィアンセ ~秘密を愛しすぎた獣~
取材レポート

「あの、すみません、先月お電話致しました、日本の山下と申します」


昨年の夏のことだ。


私はイギリスの田舎町にある古びた一家を尋ねていた。


ギギ………


大きな玄関の扉が開くと、中から背の高い中年の紳士が現れた。


「おや、お待ちしておりましたよ。たしか、日本のテレビ番組の方でしたね」


「はい、今日はこの町で起きた例の事件について、当時を知るあなたにお話をお伺いしたく参りました」


私が簡単な自己紹介と取材の説明を済ませると、


「まぁ、立ち話も難ですから……」


と、彼は私を部屋の奥に案内した。
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