地下室のフィアンセ ~秘密を愛しすぎた獣~

また数日が過ぎた頃、女は男に尋ねた。


「ねぇ? なぜあなたは私を閉じ込めておくの?」


女は知りたかった。その理由を。


「ふぅ…」


男は少し考えてから答えた。


「外は危険なのさ、今はとっても。

でもいつか必ず出してあげるよ。それまでのちょっとした我慢さ…」


男の真剣な表情になんとなく女は説得力を感じた。


もしかしたら彼は、

私のために私を閉じ込めているの…?


男の顔から女はそんなことまで考え出した。
< 14 / 44 >

この作品をシェア

pagetop