地下室のフィアンセ ~秘密を愛しすぎた獣~

☆☆☆


目が覚めると、そこは真っ暗な部屋の中だった。


ジ、ジジジ………


薄暗い光が部屋の中央でゆれている。


「私、どうしてこんなところに……?」


女は手足を縛れてベットの上に拘束されていた。


なぜここにいるのか?


誰がここにつれてきたのか?


女はなにもわからなかった。


「んぐ、んぐうううう…!」


助けを呼ぼうにも、口にあるガムテープが邪魔で声がでない。


「う、嘘でしょ。私、誘拐されたの…?」


女はただ恐怖に震えた。


部屋の隅には、ただひとつ外へと通じるドアがある。


しかし、拘束された女はそこへ向かうことはできなかった。


女はただそのドアをじっと見つめ、誰かが中に入ってこないのか、息を飲んで見張っていた。
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