無題 ~ グリンフォール~
私は、何を信じていいのかわからなくなった。





禁書の扉、図書室の扉、地下の扉を閉めた。






そして、子供たちと、遊ぶマッドに聞いてみた。






「ねぇ、マッド。」




「どうしたんだ?アリス。」





椅子に腰をかける。





「堕人って、本当に目が黒くなるの?」





驚いた。




マッドが、



怖い顔をしている。






だけど、マッドは、すぐに優しい顔になり、






「さぁなぁ?俺は、堕人を、見たことないから、分からないなぁ?」






「そう。ありがと」




そう言って、立ち去ろうとした。




「アリス!」





マッドが、私の腕を掴んだ。





「急に、そんなこと聞いてきて、何かあったのか?」






顔は、真剣だ。


けど、



声が笑っていた。






「何でもないよ。質問に答えてくれて、ありがとう。」








私は、掴まれていた、腕を離してもらい、泉に向かった。







泉には、女神とチェシャがいた。





女神が、自分から、姿を現しているのは、久しぶりだ。





「こんにちは。ユピテル。」




こんにちは…



もうそんな時間なのか。





「顔が真っ青だけど、大丈夫?」




チェシャが心配してくれている。



女神も、言葉には、表さないが、オロオロしている。





そうだった。




私を心配してくれる人がいる。






それだけで、私は、元気になる。






「大丈夫だよ。チェシャ。私は、元気。」






何が本当で、嘘か、はっきりしてやる!









そう決意した。
< 22 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop