幼馴染みと、恋とか愛とか
「タクシーで帰る……」
ゆっくりと立ち上がった萌音は、憔悴しきった様子でそう言った。
俺が触れようとしてもビクつくだけだから、手を貸すことも出来なかった。
診察代は代わって払って欲しいと頼まれた。
それに応じて、正面玄関のガラス戸を抜ける後ろ姿を見送る。
俺が怒ってる間に何があったのだろうか。それを聞いても萌音が話すのかどうかが分からず、ぼんやりとしてたんだが……。
ふ…と見ている視界に一人の男性が映った。
そいつはニヤニヤと萌音の後ろ姿を眺めていて、何だか変な野郎だな…と感じた。
そして、そんな俺の悪い予感を的中させるかのように、話しかけてくるおばさんがいた。
「ねえ…今の女の子、彼処にいる男に何か言われてたよ。私は隣の椅子にいたから声はハッキリ聞こえたなかったんだけど、あの男に怯えてるみたいに見えたんだよね。
……あの人、この病院の精神科にずっと通ってるから、あの子に何か言ったんじゃない?」
多分気色の悪い事でも言われたんだろう…と教えてくれて、俺は驚いてその人にお礼を言った。
「すみません。教えて下さってありがとうございます」
ゆっくりと立ち上がった萌音は、憔悴しきった様子でそう言った。
俺が触れようとしてもビクつくだけだから、手を貸すことも出来なかった。
診察代は代わって払って欲しいと頼まれた。
それに応じて、正面玄関のガラス戸を抜ける後ろ姿を見送る。
俺が怒ってる間に何があったのだろうか。それを聞いても萌音が話すのかどうかが分からず、ぼんやりとしてたんだが……。
ふ…と見ている視界に一人の男性が映った。
そいつはニヤニヤと萌音の後ろ姿を眺めていて、何だか変な野郎だな…と感じた。
そして、そんな俺の悪い予感を的中させるかのように、話しかけてくるおばさんがいた。
「ねえ…今の女の子、彼処にいる男に何か言われてたよ。私は隣の椅子にいたから声はハッキリ聞こえたなかったんだけど、あの男に怯えてるみたいに見えたんだよね。
……あの人、この病院の精神科にずっと通ってるから、あの子に何か言ったんじゃない?」
多分気色の悪い事でも言われたんだろう…と教えてくれて、俺は驚いてその人にお礼を言った。
「すみません。教えて下さってありがとうございます」