幼馴染みと、恋とか愛とか
でも、それをすればきっと萌音が怖がる。
昨日やその前みたいに俺を拒絶して、そして二度と、自分の側には近寄らせてはくれなくなるだろう。


俺は黙ったまま萌音を見下ろしてた。
萌音の側に居続けるには、どうすればいいか悩んでた。

カッコつけた言葉を言おうにも思い浮かばない。
だけど、子供の頃から、赤ん坊の頃からずっと大事に思い続けてきた萌音を、ただひたすら守りたい……と願ってたんだ。


「俺が何を言っても、萌音の心を慰めることは出来ないと思う。例えばここで愛を囁いても、萌音には苦痛にしか感じれないことも知ってる。

何の慰めにもならないことは十分承知の上だ。だけど、俺は萌音を守ってやりたい。

一番嫌な思いをしてる頃には何も出来なかった分、これからは萌音を見て、大事にしてやりたいんだ。


俺の側に置いて、誰にも触れさせないでおきたい。
もう二度と同じ様な思いをさせない。

怖かったら俺のところに来ればいいし、寂しかったら甘えればいい。

我儘も言っていいんだ。

俺が萌音の全てを受け止めてやるから」


< 161 / 221 >

この作品をシェア

pagetop