幼馴染みと、恋とか愛とか
そういう覚悟なら幾らでも出来る。
だって、俺は……


「萌音が好きだ。赤ん坊の萌音に初めて会った日から」


最初は興味本位だったかもしれない。
見たこともない生き物に触れて、そして、その柔らかさに幸せを感じた。

子犬や子猫と同等に思って懐いた。
それを特別な感情だと思わずに抱き締めてたんだ。


親達から言われ続けてきた「妹だと思って」という言葉にも惑わされてきた。
萌音は妹でもないのに、妹と同じ様に見ないといけないと感じてた。

萌音が大きくなって俺を慕って付いてくるようになり、それが嬉しいくせに恥ずかしくもあった。

いつまでも幼い頃のように「萌音ちゃん」と呼んで、抱いてばかりいてはいけない気がし始めた。

萌音は妹と同じ存在だから、他人の女子と同じ見方をしては駄目だと感じだした。


段々と距離を置くようになったのもそれでだ。
近くに萌音がい過ぎると、自分の彼女のように思ってしまいそうで怖かった。


萌音からの頼まれ事も嫌々引き受けるように変わった。
それでも面倒くさがりながら、萌音にとっての最善策を考えてやった。


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