幼馴染みと、恋とか愛とか
いつだって俺の中では萌音は特別な女だった。
例えば彼女が他にいたとしても、萌音の存在には勝ててない。

それくらい思考の端には常に萌音がいて、忘れてる時期があったにしても完全にではなかった。


離れてる時間があったからこそ、この最近の急接近で知ったことが多かった。

萌音が作り上げたこの部屋の雰囲気そのものが、萌音自身のように感じた。

居心地が良くて落ち着けた。
作ってくる料理の全てにも萌音の優しさが溢れてた。


それで俺は萌音を可愛がってた頃のことを懐かしく思い出したんだ。

萌音と一緒に居たいと思うようになったのもそれからだ。手離したくない…と、今更だが感じるように変わった。


その思いが漠然としたまま言葉になって出た。
「嫁になれ」と言ったり、「付き合っちゃうか？」と言ったりしたのはそれでだ。


最初のうちは揶揄いも半分入ってた。
でも、一昨日のあれは本気だ。
だから、また言わせてもらう。


「俺と結婚しよう、萌音。一生幸せにするから」


近距離結婚でもいいじゃないか。
両親達もそれを駄目とは言わない筈だ。


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