幼馴染みと、恋とか愛とか
「前から荷物は少しずつ運んでるんだ。最初から家電も付いてるし、今日からでも生活はできる」


先に部屋へ行っておけ、とロックナンバーと鍵を与えられ、恐る恐る車外へは出たみたが。

なんと言うか、ちょっと高級そうな気もしてきて、自分みたいな庶民が中に入ってもいいのかな…と思えてくる。

うーん…と迷うがその場に立ってるのも変だから、とにかくエントランスホールに向かって歩こうと踏み出した。


ホールの手前にあるテンキーで、ロックナンバーを入力して中に入る。

コンシェルジュが居るような億ションではないようだが、二十階建てという高さに呆然とする。

でも、紫苑が購入した部屋は十階の角部屋。
そこは大いにホッとしたけど、一歩足を踏み入れると段ボール箱が部屋中に置かれたままになっていて__。



「何やってんのよ、勿体無い」


どうも紫苑は荷物を運び込むことはしても解きはしないで、実家に帰る生活を繰り返してたみたいだ。

仕様がない…と溜息を吐き、頼まれた訳じゃないが荷解きを開始。

取りあえずはリビングに置かれてある段ボール箱を開き、中身が何かを確認してると紫苑が部屋に入ってきた。


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