幼馴染みと、恋とか愛とか

買い物に行きながら紫苑は首藤さんの話を少しした。


「首藤の謹慎は来週いっぱいで解くつもりだ。本人も反省してるし、俺も怒りに任せてあいつを殴ってしまったからな。

…それに、いた方が仕事上は助かるし、やっぱりあいつのアイデアや機転の早さには一目置くところがある。他の奴には出来そうにない仕事でも、首藤なら任せられる」


表情は苦々しそうにしてるけど、首藤さんを信頼してるのは確かだと思う。
私はそれを聞いて安心して、うん…と頷きを返した。


「それから萌音の退職は先に延ばす。今直ぐ辞められては体裁が悪い」


「えっ！？」


「派手な歓迎会をしておいて、二ヶ月そこらで辞められたら俺が何かしたみたいだろ」


それこそ変な噂が立ちそうだ…と危惧する紫苑に、でも…と反論を述べたくなった。

これまでと同じ様に、首藤さんが社長室に出入りするようになるのに…と緊張が走り、紫苑の顔を見返した。


「心配するな。萌音のデスクは総務部に置くから。配属は秘書課のままで仕事内容もこれまでと同じ。指示はパソコンのメールで送る。だから心配は要らない」


「そんな…」