幼馴染みと、恋とか愛とか
そのサラリとした言い方に神経を逆撫でされた様な気分がして、「あのね〜」と反論を述べようとしたんだが。


「俺の会社だと言えば、萌音は素直に面接に来たか?来なかっただろ」


昔から意地っ張りだからな、と鼻でせせら笑い、手にしていた履歴書をテーブルの上へ置く。


「この書面を見る限りは採用してやってもいいと俺は思ってるんだがな」


トントンと人差し指の先が突いているのは資格欄で、『情報処理検定第二級』と『ビジネス文書実務検定第一級』と書かれてある。


「この資格を活かしてオフィスで働いてみないか?」


給与は程々に出してやる、と言うものだから、つい、どの程度!?と噛み付いた。


「そうだな、萌音が派遣で貰ってた時給よりかは三割増しくらいに」


「その代わり怠けるなよ」と言いだし、こっちは売り言葉に買い言葉的な感じで「誰が!」と大きな声を張り上げた。


「決まり。じゃあ採用な」


呆気なく採用を言い渡され、(あれ?)と流石に思い直す。


「もしかして今のが面接?」


「ああ、あれこれ萌音に聞いても仕方ないだろ」


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