幼馴染みと、恋とか愛とか
アラームが鳴り、目を開ける前に止める。
もぞっ…とベッドの中で寝返りを打つと、足で何かを蹴ってしまった。


(ん…)


何かがいる気配を感じて目を開けると、目の前には瞼を閉じた男性がいて。


「ひっ!」


思わずガバッと起き上がって確認する。

(誰!?)と縮み上がったが紫苑だ。


「あ…そうか…」


紫苑と暮らすことになったんだ。
それでベッドが一つしかないから昨日は私が先に此処で寝て……。


「遅く寝る方は布団を敷く約束で買ってるのに」


サササ…とベッドから滑り降りて文句を付ける。
今日からはリビングに布団を敷いて、自分がそれに寝ることにしよう。


紫苑が目覚める前に起きだして着替える。
洗面して朝食の準備をしてると、彼がのそっと起き出してきた。



「おはよう」


家の中で紫苑に挨拶をしてるのも子供の頃以来だ。
紫苑はまだ半分寝呆けてるみたいな感じで、大きな欠伸が挨拶がわり。


「食べれる?朝食出来たよ」


昨夜のカレーを食パンに挟んだだけ。
ちょっと重たい朝御飯だ。


「食う。腹空いたから」


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