幼馴染みと、恋とか愛とか
寝起きだけど関係ない感じで床に座る。
ヨレたTシャツとハーフパンツ姿で、オフィスでの格好良さは微塵も感じられない。

私としてはこの姿の方が紫苑で、オフィスでの彼は別の人の様にも思えるんだけど。

だから、ある意味安心と言うか。
重い朝食も、まあ何とか喉を通る。


「紫苑、しっかり起きてよ。運転免許は持ってないからね、私」


「ああ、分かってる」


出掛ける前にはシャワーを浴びると言う彼に頷き、食べ終えた後は片付けをしてメイクを済ませた。

お昼くらいは外食で済ませて貰おうと思い、お弁当も作らずにいた。



「支度出来たか」


私よりも後に起きてきた王様がリビングに来る。
偉そうに…と思いながら振り向き、寝起きとは全く違う雰囲気にドキッとしてしまった。


ネイビーとホワイトのストライプシャツにジーンズ。
ボサボサだった髪の毛はきちんと直され、オフィスとは違うヘアスタイルに整えられてた。


ラフだけど妙にカッコよく見える。
それに紫外線避けのサングラスを掛けていて、クールと言えばいいのか、私が見たこともない紫苑だ。


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