幼馴染みと、恋とか愛とか
「どうした?」と聞くから答えれなくて。
「何でもない」と目線を下に向けてみた。


足元には白い砂。
貝殻が大から小まで転がってる。

丸くなったガラスのカケラも綺麗。
思い出に持ち帰りたいと思って膝を曲げると紫苑が同じ様に膝を折った。


目線が同じ位置になると胸が鳴った。
紫苑なのに…と思うが止まらない。



(変なの。私…)


紫苑が少し怖かったくせに。
近くにいても怖さを感じなくなってる。

それよりももっと側に居て欲しいと思ってる。
手を離された方が不安だ__。


どうしてこんなたった一瞬で。
私の気持ちは紫苑を頼りにしてしまうんだろう。


それは私が紫苑を好きだから?
それ以外の何かがあるの?

あるとしたら何だろう。
もっとそれを知りたい。



思いながら紫苑と二人で砂浜を歩き、時々しゃがんでは海の思い出を拾い集めた。

貝殻もガラスのカケラも、眩しい未来を物語ってるように感じ、それらが全部、光り輝いて見えた___。


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