幼馴染みと、恋とか愛とか
ぼうっとしながら名前を呼ぶ。


紫苑……

私の方こそ、あなたのことが知りたいの。
過去も現在も、眼中に入れてなかった時期のこと全部、自分の胸の中に収めておきたい。


小さな隙間も出来ないくらいに紫苑のことで埋め尽くして。
恐怖も何もかも溶かして欲しい……。


「紫苑に縋るから……私をもっと知って……」


胸が大きいのがコンプレックスなの。
人にジロジロと見られて、ずっと嫌だったの。
可愛いと言われたらゾッと背筋が凍り付いてた。
だから、派遣でしか働けなかった……。


だけど、そんな自分も全部知って欲しい____。



ぎゅっと抱き合ったまま、私達は車中で何度もキスを交わした。


お互いが「止めよう」と言わない限り、時を忘れてしまってた………。



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