幼馴染みと、恋とか愛とか

しがない派遣社員だったものだから首切られると後がないのよ！と、泣き縋るようにベッドに上半身ごとうつ伏せた。


「おかげで父さん達からは、さっさと仕事探せとか言われるし、職業安定所に行っても今は一番仕事がないですしねー、と残念がられる始末でさ！」


おまけに年も二十九歳で崖っぷちだし、私みたいなのを正社員で雇うってオフィスもそうは無くて。


「お願いだから、蓮也に仕事に就けって言ってくれない！？あの子なら大学での成績も優秀だったし、今更情報を学びに学校へ行かなくても、働きながら幾らでもオフィスで学べるチャンスがあると思うのよ！」


そして自分は家に居ながらのんびりと職探しが出来るという訳…と顔を上げて理由を説明。

幾分目覚めてきたっぽい紫苑は、ハァー…と思いきり深い溜息を吐き出し、寝癖の付いた前髪を乱暴に掻き上げながら、「あのなぁ…」と半開きの目線を走らせてきた。


「さっきから聞いてたら全部自分の都合が優先じゃねえか」


全く呆れる…と言いたげな表情を見て、後のない私は大いに胸を張り、「当然でしょう！」と言い退ける。