幼馴染みと、恋とか愛とか
俺がポカンと見ていたからか、萌音は肩を竦めて説明した。


「一応就職をさせて貰ったお礼。多肉植物は水遣りも要らないし、大きくなったらカットして増やすことも出来るんだって。新しい芽も切った所からすぐ出てくるって」


「便利だよねー」と楽しそうに話すのを見てると、遊びに来てるんだか、仕事する気はあるんだか…と疑いたくなってくるが……。


「そうか」


敢えてツッコミも入れずに済ますことにした。

尖ったものや丸みを帯びた植物の寄せ植えを見てると、不思議と気持ちが和んでくる様な気がしたからだ。


萌音にはデスクをこの室内に置けばいいと話した。
その方が仕事の指示も出し易いし、出かけて行った後、自分がやり掛けの仕事も頼めると思った。


「ねえ、し…社長」


名前で呼び捨てるな、と言ったせいか、萌音は淀みながら役職名を呼び……。


「仕事なんだけど、もう少し複雑なものを任せてくれない?あんな表計算程度じゃ簡単過ぎてすぐに終わっちゃうわ」


おかげで午前中は室内の雰囲気を変えることが出来たけど…と話し、午後は何をすればいい?と聞いてくる。

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