幼馴染みと、恋とか愛とか
午後の仕事を開始して二時間くらいが過ぎた頃だろうか、ドアをノックする音に気づき、萌音がさっと顔を上げる。
「はい」
椅子から立ち上がりドアへ近付く。しかし、レバーを下げる前に扉が開かれ、ビクッと背中を伸ばした。
「あ…失礼しました」
声を聞いて直ぐに首藤だと分かった。
彼は取引先に頼まれたアプリ開発について、早速意見を纏めてきたんだろうと思う。
「いえ…」
萌音は返事をして、さっと前を避ける。
首藤はそれに会釈をして中に入り、パタンとドアを閉めてから向き直った。
「初めまして。エンジニアの首藤岳(しゅとう がく)と申します」
首から下げた社員証を見せ、面通しをしている。
萌音も総務から貰ったらしい社員証を掲げ、「三橋萌音です」と自己紹介をしていた。
首藤の目線は萌音の顔を確認すると直ぐに下向きに変わる。それに萌音も気づいたらしく、手を上げて「どうぞ」と奥へ勧めた。
「あ…どうもすみません」
首藤は目線をスルッと外し、こっちに向いて歩いてくる。手にはコピー用紙を持ち、側へ来ると不満そうな表情で俺を睨んだ。
「はい」
椅子から立ち上がりドアへ近付く。しかし、レバーを下げる前に扉が開かれ、ビクッと背中を伸ばした。
「あ…失礼しました」
声を聞いて直ぐに首藤だと分かった。
彼は取引先に頼まれたアプリ開発について、早速意見を纏めてきたんだろうと思う。
「いえ…」
萌音は返事をして、さっと前を避ける。
首藤はそれに会釈をして中に入り、パタンとドアを閉めてから向き直った。
「初めまして。エンジニアの首藤岳(しゅとう がく)と申します」
首から下げた社員証を見せ、面通しをしている。
萌音も総務から貰ったらしい社員証を掲げ、「三橋萌音です」と自己紹介をしていた。
首藤の目線は萌音の顔を確認すると直ぐに下向きに変わる。それに萌音も気づいたらしく、手を上げて「どうぞ」と奥へ勧めた。
「あ…どうもすみません」
首藤は目線をスルッと外し、こっちに向いて歩いてくる。手にはコピー用紙を持ち、側へ来ると不満そうな表情で俺を睨んだ。