幼馴染みと、恋とか愛とか
手にフレンチトーストを持ったまま振り向くと、そこにはビシッとスーツを着た紫苑の姿があった。
グレーブラックのスーツに水玉のネクタイ。
白いワイシャツにはきちんと糊付けがしてあり、どこから見ても隙のないサラリーマン風。
三軒先に住んでいながら、これまで紫苑のスーツ姿なんて見たこともなかった(眼中にも入れたことがない)私は、唖然と言うかぼうっとして、見慣れないお客さんでも訪れた様な顔つきをした。
「なんだ紫苑君じゃないか」
和食を食べていた父は紫苑だと直ぐに分かったらしく、箸を置いて自分の向かい側の席を勧め「珍しいな」と声をかけている。
紫苑は父に「おはようございます」と礼儀正しい挨拶をして、ガタンと椅子を引きながら「ちょっと用事がありまして」と話した。
「へぇ、用事?何だい?」
父はお茶を啜りながら紫苑にもコーヒーかお茶を出すように、と言い、母は言われずとも入れてますよ、と答え、それに対して紫苑はぺこんと頭を下げている。
フレンチトーストを片手に占いのショックを覚えてた私も(これが紫苑?)と不思議な感覚を思いながら、ゴクン…とパンの塊を飲み込んだ。
グレーブラックのスーツに水玉のネクタイ。
白いワイシャツにはきちんと糊付けがしてあり、どこから見ても隙のないサラリーマン風。
三軒先に住んでいながら、これまで紫苑のスーツ姿なんて見たこともなかった(眼中にも入れたことがない)私は、唖然と言うかぼうっとして、見慣れないお客さんでも訪れた様な顔つきをした。
「なんだ紫苑君じゃないか」
和食を食べていた父は紫苑だと直ぐに分かったらしく、箸を置いて自分の向かい側の席を勧め「珍しいな」と声をかけている。
紫苑は父に「おはようございます」と礼儀正しい挨拶をして、ガタンと椅子を引きながら「ちょっと用事がありまして」と話した。
「へぇ、用事?何だい?」
父はお茶を啜りながら紫苑にもコーヒーかお茶を出すように、と言い、母は言われずとも入れてますよ、と答え、それに対して紫苑はぺこんと頭を下げている。
フレンチトーストを片手に占いのショックを覚えてた私も(これが紫苑?)と不思議な感覚を思いながら、ゴクン…とパンの塊を飲み込んだ。