幼馴染みと、恋とか愛とか
野心に火が付いた…と言っていた。

それからは朝から晩まで、寝る暇もないほど働き詰めたらしい__。



ふぅん…と話を聞いて納得し、紫苑にもそんな根性があったんだ、と驚いた。


(どうりで長い間、顔も見ない時期があったはず…)


そう思いながら、紫苑もそれなりに苦労はしてきたんだ…と知った。


でも、そのがむしゃらに働いてた頃にやってた事が全部自分の力になったらしく、起業した際にも顔を知ってる企業から仕事の依頼が多く持ち込まれ、随分助かった…と話していた。

そして、その頃の人脈を使って有能な人材を集め、少数だけど精鋭部隊の様なオフィスを作り上げた。


「此処はさながら戦国武将の城ようなもんだ」


紫苑はそう言って笑っていたが………。



(その戦略の要になってるのが首藤さんよね)


多分それは紫苑も一番自負してるところだと思う。

外回りには彼と一緒に行くと決めてるみたいだし、首藤さん本人も紫苑が自分に目を掛けてるのをちゃんと分かって仕事をしてる。

< 64 / 221 >

この作品をシェア

pagetop