幼馴染みと、恋とか愛とか
(実際に大人になると、「助けて」とか「何とかして」とか、簡単には言い出し難かったな……)
それこそ今回みたいに子供じみた内容なら紫苑に頼るのは楽だった。だけど、本当に困ってることは話せなかった__。
ぐっと泣き出しそうになる気持ちを我慢する。
思い出すな…と心に決め、ひたすら黙々とキーボードを操作した。
______________
午後十二時になり、昼食を食べに行こうと席を立つと柴原さんから「一緒に食べない?」と誘いの電話が掛かり、ビルの最上階にある社員食堂に来たのはいいんだが___。
(うーん…食べにくい…)
さっきから同席している女子達からじっと見据えられて困っていた。
彼女達は歓迎会で紫苑が私を名前で呼び捨てにしたのを聞いてたらしく、何か特別な関係なのか、と訊いてきたんだ。
「このオフィスに入社して以来、社長が女子の名前を呼び捨てにしたのを初めて聞いたわ」
柴原さんまでもが珍しがり、どんな間柄?と興味深そうに訊ねてくる。
面接時には「ただの顔見知り」だと言ってただけに、どう弁解しようかと焦った。
それこそ今回みたいに子供じみた内容なら紫苑に頼るのは楽だった。だけど、本当に困ってることは話せなかった__。
ぐっと泣き出しそうになる気持ちを我慢する。
思い出すな…と心に決め、ひたすら黙々とキーボードを操作した。
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午後十二時になり、昼食を食べに行こうと席を立つと柴原さんから「一緒に食べない?」と誘いの電話が掛かり、ビルの最上階にある社員食堂に来たのはいいんだが___。
(うーん…食べにくい…)
さっきから同席している女子達からじっと見据えられて困っていた。
彼女達は歓迎会で紫苑が私を名前で呼び捨てにしたのを聞いてたらしく、何か特別な関係なのか、と訊いてきたんだ。
「このオフィスに入社して以来、社長が女子の名前を呼び捨てにしたのを初めて聞いたわ」
柴原さんまでもが珍しがり、どんな間柄?と興味深そうに訊ねてくる。
面接時には「ただの顔見知り」だと言ってただけに、どう弁解しようかと焦った。