幼馴染みと、恋とか愛とか
「学費の方は大学時代に取得した免許が幾つかあるおかげで、通常の半分程度で済みそうなんだよ。
蓮也は他にも奨学金の相談を学校にしているみたいだし、アルバイトもするから…とは言ってるんだけどね」


「でも、講義の終わった後でバイトとなると時間も限られるし、大学と違って専門学校では課題も多いと聞いてるから、バイトなんてしないで勉強の方に集中して欲しいとは言ってるの」


両親は共働きだから何とかなると思うと話し、でもね…と心配そうな表情で続けた。


「萌音が派遣切られちゃって」

「只でさえ三十路前で仕事もあまり無いのに困ってるんだよ」


(ええーっ!?蓮也の学費よりも私の就職の方が心配だって言いたいのー!?)


おかしいでしょ!と言いたくなるのを堪え、何とか言ってやって!と紫苑の顔を見据える。

彼は唖然とする私の表情を一瞬だけ視界に収め、そうですね…と納得するように両親を振り返った。


「萌音の年で就職されても結婚までの腰掛けだと思われたらアウトですしね」


おいおい…と言いたくなる言葉を発し、両親はますます、そうなんだよ…と頷く。

 
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