REARLIGHT TEARS
広大な記念公園の外周を囲む様に整備された芝生の丘に沿って等間隔に立ち並ぶ新緑が初夏の陽光に揺れ始める中、パーキングゲートから東寄りに離れた木陰に停車した僕は、彩りに満ちた花壇の後方にある白いベンチへと腰掛け、彼女の目覚めを待った。
数分後、朝の気配に気付いた彼女がリクライニングにしていたシートを起こすと、取り出したスマホで、その笑顔を隠す様に軽く振る “彼女らしい” おどけ方で目覚めのサインを送った。
それを見て安心した僕が彼女の元へ歩み寄ると、
「アドレス交換…まだ、だったでしょ?」
差し出された、その画面に表示されている番
号を登録し終えると、僕もそれに習い8桁の数字が並んだメモを彼女に手渡した。
「必要ないなら処分していいよ」
その言葉に彼女は、微笑む様にそっと目を伏せながら首を横に二度小さく振り、キー操作を始めた。
僕はその時間を考慮し、運転席へ回り込むとドアを開け、その様子を伺う様にシートへと座る。
だが、その指先が止まり彼女は画面を見つめたまま何かを考え始めた。
表情に変化はないが、
「数字に解読不明な箇所が?」
「うぅん、違うの…」
直後、笑顔でスマホをハンドバッグへ入れるのだが、傾けた待受画像は彼の写真ではなくブランドロゴへと差し替えられていた…
数分後、朝の気配に気付いた彼女がリクライニングにしていたシートを起こすと、取り出したスマホで、その笑顔を隠す様に軽く振る “彼女らしい” おどけ方で目覚めのサインを送った。
それを見て安心した僕が彼女の元へ歩み寄ると、
「アドレス交換…まだ、だったでしょ?」
差し出された、その画面に表示されている番
号を登録し終えると、僕もそれに習い8桁の数字が並んだメモを彼女に手渡した。
「必要ないなら処分していいよ」
その言葉に彼女は、微笑む様にそっと目を伏せながら首を横に二度小さく振り、キー操作を始めた。
僕はその時間を考慮し、運転席へ回り込むとドアを開け、その様子を伺う様にシートへと座る。
だが、その指先が止まり彼女は画面を見つめたまま何かを考え始めた。
表情に変化はないが、
「数字に解読不明な箇所が?」
「うぅん、違うの…」
直後、笑顔でスマホをハンドバッグへ入れるのだが、傾けた待受画像は彼の写真ではなくブランドロゴへと差し替えられていた…